芥川龍之介の「追憶」は埃の章から始まる。
芥川龍之介の数え年の四歳の時になる一番最初の記憶は、「天井から埃が出る」光景だと書かれている。
芥川の芥はごみのことだから、ごみの記憶が埃と言うことになる。
この時に、新しい家を建築するためにこの古い家を壊したのだ。
家を壊せば、大量のごみも出たことだろう。
塵芥
読みは、ちりあくた、じんかい、ごみ、のどれでも。
意味は、ちりとごみのこと、さらに、とるに足りない価値のないもの。
類義語なら
我楽多、瓦落多(がらくた)
廃棄物
襤褸(ぼろ)
屑(くず)
破片
半端
不要品、不用品
残骸
瓦礫
日本語は、実に多くの、壊れたものの表現がある。
それだけ、物が壊れることを重要視していたのだろう。
スクラップアンドビルド
破壊と再生
壊れることには、新たなものを作る、出発なのだ。
芥川龍之介のきおくも、新しい家を作るためのものだった。