犀星の故郷 | masaka3936のブログ

    室生犀星のふるさと


    室生犀星の「ふるさとは遠きにありて思ふもの」の詩歌の出だしは、短歌の語数と合っている

    ふるさとは 遠きにありて 思ふもの
    そして悲しく うたふものよしや

    平仮名なら
    ふるさとは とおきにありて おもふもの
    そしてかなしく うたふものよしや

    沓冠は
    ふとおそう
    はてのくや
    から
    「嘘を問ふ、果て退くや」
    となる

    故郷は 家起きに在りて 思ふもの
    そして悲しく 歌ふもの止しや

    「と」は「家」で家のこと

    これなら、家に居て歌を作ったことになる

    事実、室生犀星は、この詩歌は、故郷である金沢で作られたものである

    故郷に居ながら作ったのだ

    しかも、その事が分かるように作られている

    故郷は、家に居ても、遠くなら思うべきものだと詠んでいる
    逆説的かもしれないが、室生犀星が、故郷の家にいながら、遠くから思うものだと詠んだことで、ますます、悲しい歌であることが伝わる
    なお、室生犀星は、この時の帰郷を最後に、以降、故郷には足を踏み入れていない