「成瀬は信じた道をいく」(宮島未奈・新潮社)読了しました。

 

 

 3月に「成瀬は天下を取りにいく」を読み終えてすぐに図書館に予約を入れましたが、著者が静岡県富士市出身であることに加え、その時点で本屋大賞の候補になっていたこともあったのでしょう、予約数が多くて5月になってやっと順番が回ってきました。さすがの人気。

 

 内容は「天下」の続きで5つのショートストーリーから成っていますが、「天下」で中学生から始まった物語は「信じた」では大学生となり、更になんと現在をも飛び越しています。

 

 期待に違わずめちゃ面白く、成瀬の発言の度に笑いがこみ上げてくる感じ。「ゆるキャン△」の大垣千秋あるいは「寅に翼」の久保田先輩のような独特な口調が更に面白さを増し、「成瀬って、ですます調でしゃべれるの?」の返答には大いに笑いました。

 このような最強のキャラクターを作り上げる著者の力量は流石です。

 特に最後の章「探さないでください」は、はらはらドキドキもあり秀逸。

 

 成瀬の友人である島崎みゆきの感想として「またひとつ成瀬あかり史が増えたかと思うと感慨深い」という言葉がありましたが、このシリーズが続く限り私も成瀬あかり史を追っていきたいと思います。