リングから消えた賭博業者広告 | 川島正仁の南米体験歌

川島正仁の南米体験歌

川島正仁は、東京オリンピックの年(1964)、高校を卒業し、翌年19歳で南米アルゼンチンに移住します。日本を最後の移民船「アルゼンチナ丸」に乗船し、横浜港の大桟橋から出航しました。その時からの苦しい移民生活を、歌とともに綴ります。

ゴールデンウイーク最終日の6日。ボクシング・井上尚弥(31)らのファイトを見るために、主催者発表で4万3千人が東京ドームに詰めかけた。関係者の間では「国民的行事」と呼ばれた大イベントだった。開催前、スポーツ行政当局はある危機感を募らせていたが、杞憂に終わった。最近のプロボクシング興行で何度も提出されていたスポーツ賭博を扱う業者の広告が、このイベントでは姿を消していたからだ。この業者は海外に拠点を持ち、インターネットを通じてボクシングや野球,サッカー、バスケットなどスポーツの勝敗などに賭けることが出来るサイトを運営している。警察庁は、「一般論として、賭博行為の一部が日本国内において行われた場合,刑法第185条の賭博罪が成立することがあるものと認識している」としている。同庁によると、オンラインカジノに関わる賭博事件は、2023年に13件107人が検挙されている。日本国内からこのサイトを通じて勝敗などに賭けた場合、違法になる可能性がある。今年3月には、米大リーグの大谷翔平の水原一平・元通訳が違法なスポーツ賭博に手を染めていたことが発覚。日米で騒動となっていた。4月中旬、スポーツ庁はスポーツ賭博を扱う業者がボクシング興行や、選手個人のスポンサーをしている現状について、日本ボクシングコミッション(JBC)に聞き取りを行った。このような中で井上尚弥がメキシコのルイス・ネリと防衛戦を行った。試合は1回にプロ初のダウンを喫しながら逆転で6回TKO勝利。「4万人のお客さんに満足していただけたのでは。歴史に残る良い日になった。」と笑顔を見せた。この興行で防衛戦に臨んだ弟で世界ボクシング協会バンタム級王者の井上拓真(28)もまた、1回にダウンしながら逆転勝ち。父でトレーナーの慎吾さんは「噓でしょ、という感じ。もう、大変だった。」

上記は5月8日の朝日新聞に掲載された記事である。個人的にも井上の大ファンだが、さすがにこうして「賭博」を撥ね退けるとは大したものだ。改めて尊敬する。私は40年前にメキシコに居住していたが縁があって共栄ジムの代理人を務めていた。それでボクシングの裏のことは熟知していた。当時はWBCとWBAの2団体しかなかったがそのうちWBCの本部はメキシコ市にあった。友人の共栄ジムのマック金平とよく本部に挨拶に行ったものだ。当時は世界ランキング10位までしか挑戦が出来なかった。それで世界タイトルを取りたくてもまず10以内に入らなけらばならなかった。金平オーナーはその点をよくい知っており、顔をつなぐため甥のマックをメキシコに住まわせたのだ。現在でもメキシコはボクシングの聖地であり、特に軽量階級では力がある。