子どもの成績が悪かった時、親がどのような態度をとるべきか?
とりわけ、中学受験生を持つ親御さんにとって、子どもの模試の成績やテストの成績は深刻な問題だ。
聞くところによると、不愉快な顔をして「もっと勉強しなさい!」「きちんと勉強やってるの?」と言う親がとても多いそうだ。

はっきり言ってこのような対応は間違っており、子どもの成績をますます低下させてしまう。


中学受験の勉強量は半端なものじゃない。
普通の大学受験よりも範囲は遙かに広いし、中学受験算数なんて東大の理科系に合格したばかりの人々にトライさせたら合格点を取れたのが2割もいなかったという風説もある。
このようなシビアな中学受験勉強を、多くの子どもたちは「親の喜ぶ顔を見たくて」毎日頑張っている。
模試等の成績は、一生懸命善戦した結果だ。

 

私の教育ポリシーは「豚もおだてりゃ木に登る」だ。
模試の成績が良かった時は「お前って天才!」と褒め称え、成績が悪かった時は「欠点がわかってお得な模試だったな~。全問正解だったら時間の無駄だからな」と言っていた。


天才云々は別として、「欠点がわかる」というのは模試やテストの最も重要な役割だ。
欠点がわからないまま本試験に臨むと、大失敗する恐れがある。
模試やテストで欠点を確認してきちんとカバーすることで、本試験合格に一歩近づく。
基本ができていなければ基本に戻ってカバーすることもできる。
このように、模試やテストの成績が悪い時は本当のチャンスであり本試験でなくて良かったと考えるのが合理的だ。

 

とは言っても「顔が引きつる」という声をたくさん耳にする。
そういう時のとっておきの方法がある。
まず、頭で「模試の成績が悪かった時は欠点がわかったチャンスだ」ということをしっかり理解する。
頭では理解できても感情はなかなか付いていかない。


そこで、「欠点がわかってお得な模試だったね。本試験じゃなくて良かったね」という言葉を笑顔で話す練習をしよう。
感情が落ち込んでいても笑顔を作れば明るい気分になれるというのは、心理学的に証明されている。
笑顔を作ってポジティブな言葉をかける練習を何度かやれば、子どもに対してもポジティブな言葉と態度で接することができる。
たいしたことではないので、是非とも普段から練習してみよう。

 

「豚もおだてりゃ木に登る」作戦で、小4の冬休みから上京した娘は小6の最期の四谷大塚の模試で総合56位まで上がった。
もちろん、私独自の方法論の実験結果(?)なのだが、その点は拙著「すぐに結果を出せるすごい集中力」などを参照してほしい。

 

親子が笑顔でポジティブになることは、合格のための大きな推進力だ。

それを決して忘れないでほしい。