どんなに好条件でも感情的に嫌なら人は動きません。

 

 

春の選抜高校野球が始まり、熱戦が繰り広げられている。

プロ野球と違って1度敗退すると「ジ・エンド」なので、各チームの監督や選手たち、応援の人たちの必死さがテレビ画面を通して伝わってくる。

 

試合とは全く関係ないことだが、バッターボックスに入った選手の名前の読み方がわからないことが、最近特に多くなったような気がしてならない。姓でなく名の方だ。

間違いなく読める選手の割合が、5人に1人くらいという試合もある。

 

考えられる原因のひとつは、高校生男子の名前が(キラキラネームとまではいかないまでも)個性的になり過ぎているということだ。

甲子園球児の名前だけが個性的になったのではなく、母集団に個性的な名前が増えたのかもしれない。

 

考えられる原因のもうひとつは、個性的な名前の方が甲子園球児になりやすいという(かなり強引な)推測だ。

両親が子供に大きな期待をかけて個性的な名前を授け、小さいときから野球の練習に力を入れさせた結果かもしれない。

漫画ではあるものの、星飛雄馬という極めて個性的な名前の主人公がいた。

鬼親父の星一徹が一生懸命名前を考えている姿を想像すると、思わず噴いてしまいそうになるが(笑)

 

個性的を超えて奇抜な名前を見ると、時々気の毒になる。

姓の方は裏技で何とか変えられるが、名の方は家庭裁判所の審判が必要で、そう簡単には変更できない。

姓は、変えたい姓の人と結婚等をすれば簡単に変えられる。

その後どうするかは本人同士の問題だ。

 

高校時代、殷次という名の国語の教師がいた(「たかつぐ」と読むらしい)。

彼は常々、私たち生徒の前で、

「お前たち、決して子供に奇抜な名前を付けるなよ。一生苦労するからな」

と切々と説いたものだ。

常日頃から生徒たちに「インジ」と呼ばれていただけに、強烈な説得力があった。

 

昔の教師の受け売りではないが、あまり奇抜な名前は長い人生を考えれば気の毒だろう。

キラキラネームの女の子が、高齢者になった時のことを想像してみよう。

星飛雄馬は昔の話で、今は鈴木一郎の時代なのだ。