婚姻無効 婚姻無効
 
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99円キンドル本です。軽い短編の物語を読み進めば、身近で必要な法律知識が自然と身につきます。

 

「あなたは異性との友人関係は成立すると思うか?」男性の方も女性の方も、少し立ち止まって考えてみてもらいたい。

「完全に友達関係の女性がいる(いてもおかしくない)」「完全に友達関係の男性がいる(いてもおかしくない)」と回答された方々は、次の質問に進んでほしい。

「あなたのパートナー(恋人は配偶者)が、完全に友達関係の別の異性と食事に行ったり、電話で楽しそうにおしゃべりをするの、平然と見ていられるか?」

こちらの質問になると、最初の質問と矛盾する回答をする人が増えるような気がする。

自己矛盾という人もいるが、立場が変われば意見や感想が変わることは決して珍しいことじゃない。

 

先般、有名総合商社に勤務していた(今は関連会社勤務)友人が、本人より10歳くらい年上で、既に退職した職場の女性社員の自宅に電話を入れたそうだ。

したところ、すでに還暦を過ぎた彼女が「旦那がうるさいので、自宅の電話にはかけないでほしい」と言ったとのこと。

友人は「還暦過ぎて自意識過剰だぜ」と怒っていた。

用件もOB、OGの集まりの連絡で、何らパーソナルなものではなかったからだ。

 

この話を聞いて、「そういえば…」と思い当たる人もいるのではないだろうか?

よくある話だと、同窓会が終了する時間になると電話を架けてくる夫。

(「いい歳して」は敢えて省略して)「ラブラブだねー」とみんなにはやし立てられる女性を、私は2度ほど見たことがある。もちろん別人だ。

「妻が外に働きに出ることを許さない夫」や「居場所がわからないと、知人宅に次々と連絡しまくる夫」がいることも、間接的に耳にしたことがある。

妻の強気な態度を見ていると、モラハラ夫でもなさそうだ。

 

これらの夫婦の共通点は、学歴か職歴が妻の方が上だということだ。

学歴はともあれ、職歴となると「どうよ?」と思う。

なぜなら、昔の女性社員のほとんどが一般職だったので、一流企業に入社しやすい(数年間、腰掛をしたら寿退社する前提で採用されていた)。

妻が短大卒で一流商社、夫が四大卒で地方銀行という場合でも、夫は妻の職歴に嫉妬することが多いようだ。

職歴に嫉妬するのではなく、職場にいた男性社員に嫉妬していると言った方が正しいのかもしれない。

「一流商社の男性と、地方銀行の自分を比較している」と疑心暗鬼になるのだろう。

 

このよう組織の属性を還暦過ぎまで引きずるというのは、私にとっては新鮮な驚きだった。

40歳を過ぎたころから大企業では出世の選別が終わって、閑職に回った人間を中心に同窓会などの集まりが増える。関連会社への出向・転籍も増える。

それでも、過去の学歴や職歴は、(たとえ一番近くにいても)払拭できないほど強力なものなのだろうか?

私の知る範囲では夫の例ばかりなので、「男は過去に執着し、女は過去をすっきり忘れる」という公式が当てはなるのかもしれない。

 

ともあれ、一流大学や一流企業(及びその出身者)の男性は、かつての同僚だった女性宅には軽々しく電話などは入れない方が無難だ。

あえて不愉快な思いをしてみたいというのであれば別だけど…。