男女関係の心理もしっかり押さえています(*^^*)

 

私が野村投信在籍時、社内に男女関係にとても長じた先輩(課長クラスだったかもしれない)がいた。

彼は3人か4人の子持ちで、夫婦仲睦まじく暮らしていた。

彼の口癖は、「世の中で”性格の不一致”という理由で離婚する夫婦が多いけど、多くはセックスの不一致、つまり”性の不一致”が原因なんだ」というものだった。

 

未婚で女性経験も乏しかった当時の私には到底信じられなかった。

しかし、弁護士として離婚相談を受けるようになってから、おぼろげながら彼の言い分が理解できるようになった気がする。

 

とはいえ、「性格の不一致」が原因で離婚する人たちのほとんどは(裁判所や弁護士などを通さない)「協議離婚」で終わってしまう。

弁護士が扱うのは、子供の奪い合い、DV、不倫、金銭問題などの問題を抱えた夫婦がほとんどなので、単なる「性格の不一致」の相談事例は極めて少ない。

もっとも、離婚の主たる理由がDVや不倫その他の問題であっても、理由は必ずしも1つではない。

調停の待ち時間の雑談などで「性の不一致」らしき話を何組かの夫婦から聞くことができたので、その範囲内で先輩の仮説を検討してみたい。

 

男女ともに当てはまることだが、セックスに対しては、大きく分けて「先進的タイプ」と「保守的タイプ」の2つのタイプがいるようだ。もちろん白か黒かではなく、その中間層もたくさん存在する。

「先進的タイプ」は、人間として生を受けた以上、性的快楽をとことん追求しようとする人々だ。

逆に「保守的タイプ」は、セックスにある種の規範を抱いており、(たとえ夫婦間であっても)セックスは当該規範の範囲内で行うべきだと考える人々だ。

「先進的タイプ」は何でも試そうとする傾向があるので、アダルトグッズやコスプレ等何でもアリアリである反面、「保守的タイプ」はそういう物を見ただけで露骨に嫌悪の表情を浮かべる。SMなどもってのほかだ。

 

夫婦ともに同じタイプであれば(それ以外の問題がない限り)、夫婦生活はまずまず上手くいくが、タイプが異なると離婚沙汰に発展することが多いようだ。

「夫は少し変態の気があるんです。嫌がる私にあれこれ強要するし、私がイカないのは変だと言うのです。よく雑誌などに「宙に浮く」とか「お花畑に投げ込まれるようだ」などと書かれているけど、あんなの男を喜ばせるための嘘です!」と、「保守的タイプ」の妻が口にしたことがあった。

 

「保守的タイプ」の男性からは、次のような話を聞いたことがある。

「私の妻は見かけは普通ですが、実はとんでもない女なんです。セックスになると人が変わるんです。あれこれ変なことを要求したり私に仕掛けてくるし、一度なんて「縛られてみたい」なんて言うんですよ。大人しそうな外見にすっかり騙されました」

 

「先進的タイプ」の夫婦の言い分は、押して図るべしというところだ。

総じて「つまらない相手」「このまま人生を終えたくない」という類に尽きる。

 

この手のサンプル数の手持ちは(先述のように)数が少ないので、合っているか否かもわからないし、正しい解決方法もわからない。

なにせ依頼内容が「離婚して別れること」なので、修復事例は経験値にない。

 

一番いいのは結婚前に相手のタイプ(相手との相性)を確かめることだ。

出産を考慮に入れると、時間が限定されている女性の方が不利だろうが、ポートフォリオを組んで同時並行的に複数の男性と付き合って挽回するという方法がある。

もっともこれはあくまで理屈上のことで、先般娘に「たくさんの男と同時並行的に付き合ってポートフォリオを組むのが最適戦略だ」と言ったら、露骨に不愉快な顔をされてしまった(汗)