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中学受験勉強のノウハウを凝縮しました。

 

「はれのひ」が裁判所に破産申立をしました。

破産申立代理人弁護士は、本当に大変だと思います。

単に破産申立の依頼を受けたというだけでも、債権者を始めとする多方面から苦情が寄せられ、メディアの取材攻勢にも晒されます。

 

私も何度か破産申立代理人をやりましたが、その都度心身ともに疲弊しました。

当初は何も聞かされていなかったことが、管財人に移ってから露見することがよくありました。

経営陣が横領まがいのことを行っていたのを後で知らされた時は、怒りを通り越して絶望感すら覚えたものです。

 

破産申立の準備にはある程度の期間が必要です。

とりわけ、小口業者や一般消費者が債権者になるようなケースだと、債権者一覧表を正確に作成するのに時間がかかります。

現有資産の保全も考えなければなりません。

ずさんな会社だとそのあたりの管理がいいかげんで、申立まで数週間かかることもありました。

 

「てるみくらぶ」と「はれのひ」の破産申立で違和感を覚えたのは、両社とも破産直前まで消費者からお金を集められるだけ集めてしまったことです。

とりわけ「てるみくらぶ」は積極的に申込みと入金を勧誘していました。

 

サービスを提供ができないのを承知で一般消費者からお金を集めれば、詐欺罪として刑事責任を追及されます。

「てるみくらぶ」の社長は詐欺罪で警視庁に逮捕されました。

「はれのひ」も「てるみくらぶ」ほどではないにしろ、集めるだけ集めて店舗を閉鎖しました。

 

問題は、このお金がどこに流れたかという点です。

通常、弁護士が破産申立の依頼を受けると、「これ以上の借金はしないように」「支払うアテのない購入はしないように」ときつく注意します。「さもないと、詐欺罪に問われますよ」と念押しして。

このように、破産申立直前は「借入金の返済をしない」「買掛金の支払いをしない」という消極的な不義理はするものの、新たな資金集めはしないのが普通です。

 

「てるみくらぶ」の場合は新たに積極的に資金集めをしており、「はれのひ」も(もしかしたら)直前まで申し込みを受け付けて前金を取っていた可能性があります。

経営者自身の詐欺の状況証拠を敢えて作ってまで集めた集めた資金はどこに流れたのでしょう?

破産申立に必要な裁判所に収める予納金や弁護士費用に充てるには金額が大きすぎます。

それに、経営者自身が詐欺罪に問われてまで、わざわざ正式な破産手続をする必要は毛頭ありません。

破産手続がとられないまま事実上の破綻に至っている会社はたくさんあるのです。

 

「てるみくらぶ」の場合、警視庁の捜索で社長宅から700万円の現金が見つかりました。私は、これまた不自然と感じます。本当にその後の生活資金として必要なお金であれば、安易に自宅に置いておくとは考えにくい。詐欺として逮捕され、家宅捜索されることは事前に十分予想できますから。

 

ここからは、犯罪小説的な大胆な仮説的推理です。

 

反社会的勢力などがバックにいて、直前に集めた資金を吸い上げてしまったのではないでしょうか?

正式に破産手続をすすめるのも、区切りを付けてそれ以上の追及をさせないためだと考えれば、まあ納得がいきます。

反社会的勢力が会社や経営者個人に甘い言葉で融資をし、「シナリオ通りに動けば、家族共々命の保証はしてやる」と脅せば、詐欺罪で汚名をかぶることくらい大したことではないでしょう。

家族共々死ぬまで追われることに比べれば、一人で罪を背負って(仮に実刑になっても)数年間刑務所に入るほうがマシです。

「てるみくらぶ」社長宅から700万円発見されたのも、資金の流れをごまかすために敢えて残したと考えれば、辻褄が合います。

 

以上は推理小説的な大胆な仮説であり、まったくお門違いかもしれません。

昨今の警察の捜査能力はとても高いので、そう簡単にごまかせるものでもないでしょう。

 

ただ、私自身の払拭しきれないこの違和感はいったい?…単なる考えすぎでしょうか。