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残念ながら電子のみですが、実践的なノウハウをギッシリ詰め込みました。

 

相手のことを知らず、あれこれと想像している状況が「恋」。相手を知ってから始まるのが「愛」。

何かの本にこのようなことが書かれていました。

出所を忘れたので正確な引用ができないのが残念です。

 

通勤・通学電車でいつも一緒になる異性。

相手の名前も家も年齢も知らず、「〇〇という名前かな?」「一戸建てに住んでいるのだろうか?それともマンション?」「親兄弟は?」「恋人はいるのだろうか?」…などなど、相手のことをあれこれと想像した経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか?先の定義によると、これが「恋」のレベルになります。

 

「恋」に限らず、子供のころ、サッカー選手になって活躍している自分の姿を想像してワクワクした人、体に羽根が生えて空を飛ぶことを想像した人もいるかもしれません。

憧れの芸能人と結婚したり、大金持ちになる姿を想像していた人もいるかもしれませんね。

 

今の時代、このような「想像する機会」がやたらと減っているように思えます。

昔はテレビに決して出演しない歌手がいて、「どんな人が歌っているのだろう?」と想像したものです。

今ではユーチューブで検索すれば、瞬く間にお目当ての歌手が歌っている姿を見ることができます。

「アルプスの少女ハイジ」を観て、「本物のアルプスはどうなっているのだろう?」と感じたら、すぐにネットで写真を見ることができます。

グーグルアースを使えば世界中を3Dでリアルに見ることができるようになりました。

 

VRやARの急速な進歩は、存在しないものまでリアルに提供してくれます。

映像と音声と体感がセットになっているので、想像力で補う余地がほとんどありません。

いずれ臭いもプラスされるかもしれません。

このように、知らないことをあれこれと想像する機会が、技術進歩によって次々と失われているのが現代社会です。

 

「別に想像しなくてもいいのではないか?」という意見もあるでしょう。

しかし、空を飛ぶことばかりを想像していた人がいたから飛行機ができたのであり、月に行くことを想像していた人がいたから人類は月面着陸に成功したのです。

「知らないこと」「目の前にないこと」を想像することは、科学の分野だけでなく社会を変えていくイノベーションの原動力の一つだと私は考えています。

 

「男性はポルノ写真を見て性的刺激を受け、女性は文章を読んで性的刺激を受ける」と私の高校時代の保健体育の教師が言っていました。

これが真実だとすると、女性のほうが男性よりも「想像力」が高いことになります。文章の方が写真よりリアリティが低いからです。

「想像力」を武器にする企業の経営陣に女性の存在は必須となります。

 

リアルばかりの世界を離れ、非リアル体験を積むことが「想像力」を鍛える方法であるのなら、「文字だけの物語を読む」「音楽だけに集中する」「音声教材や音声だけの物語に耳を傾ける」などの方法が有効です。

 

「想像力」は身近なところでも極めて重要な役割を担っています。

病気やケガをした人の痛みが全く想像できない人間だけの世界を考えると、私はゾッとします。

他人の痛みが想像できるからこそ、私たちは人を傷つけないよう気遣い、傷付いた人たちを助けようと思うのです。

 

AIがいくら進歩しても、想像力までは持ちえないでしょう。

過去のデータをどれだけ組み合わせたりディープラーニングをしても、機械には人間と同じ痛みや喜びを享受することは決してできません。

 

一日少しの時間でいいので、文字だけの本を読み、目を閉じて音だけに集中しましょう。

そして、頭の中でいろいろと想像してみましょう。

他人に迷惑をかけなければ妄想も大いに結構だと思います(^^;)