明日はセンター試験ですね。
中学受験や高校受験も本試験真っ最中だったり、間近だったりでしょうか。
私は受験生のみなさんに「がんばれ」とは言いません。
本試験直前でプレッシャーだらけのみなさんに、さらなるプレッシャーをあたえるような言葉はふさわしくないと思います。
今から明日の本試験までにやれることといったら、これまで勉強したテキストや参考書をリズムよく見返すくらいでしょう。
決して無理はしないで下さいね。
リラックスして(場合によってはBGMを流して)、今までの勉強の成果に目を通しましょう。
リラックスして目を通した部分が明日出題されることもあります。
だからといって、大きな期待は禁物です。
あくまで、サラサラと目を通すだけに止めましょう。
もしできなくとも、まったく問題ありません。
一番いけないのは、「しなければならない」「やらねばならない」という「must」を作ってしまうことなのです。
お天気のことや交通機関のことを心配するのはやめましょう。
あなたがどれだけ心配しても、明日のお天気や交通機関の状況がよくなることはありませんから。
自分の手の届く範囲をしっかり準備したら、届かない範囲のことを心配するのはやめましょう。
自分の手の届く範囲に絞り込むことができたとしても、やはり心配は尽きないのではないでしょうか。
本試験で緊張してしまって問題文が読めなかったらどうしよう。
今晩眠れなかったらどうしよう。
・・・等々。
ここで、あなたに起こりうる最悪の事態を想像しましょう。
会場にたどり着けるかどうかは、万全の準備をしたら後はその日の状況に任せればいいのです。
会場に無事たどり着けたとして、あと考えられる最悪の事態は何ですか?
心身の不調が巻き起こす「あがり」「注意力散漫」「疲れ」などが原因で、力を出し切れないこと、これこそみなさんに起こりうる最悪の事態でしょう。
私自身の経験を聴いて下さい。
ジジイの自慢話かもしれませんが、ここは我慢して。
司法試験には択一試験というのがあり、3時間で60問の問題と取り組むという試験でした(当時)。
択一試験には交通機関の遅れに対する「救済措置」もありませんでしたし、3時間一本勝負ですから保健室に行ってる暇をありません(そもそも保健室の準備などありませんでした)。
いかなる事情があろうとも、試験時間の3時間で合格点をとらないと落第です。
第二志望はありませんから、即刻、その年の試験は終了となります。
私は、当時の司法試験の3大予備校の択一模試を合計5回受けました。
大学受験だと、駿台、河合塾、東進、代ゼミの模試に匹敵します。
私は、すべての模試でダントツの成績を収め(おそらく上位5人以内)、一番悪いできの模試でも、合格推定点を7点上回っていました。
60点満点の7点ですから、センター900点満点で受験するとしたら、A判定ライン+90点~100点となるのでしょうか。
と、ここまでがジジイの自慢話です。
そんな私が、試験前日は眠れませんでした。
(眠れないまま布団の中でゴロゴロしてました)
試験開始と同時に問題文を見たのですが、「落ちてはならない」というプレッシャーと緊張で、5分か10分くらい文字が読めませんでした。
時間は刻一刻と過ぎていきます。
このまま3時間が過ぎてしまえば、輝かしい模試の成績などまったく関係なく、その年の司法試験は強制終了です。
本番に弱い受験生として、うれしくない脚光を浴びるかもしれません。
みなさんが今想像する最悪の事態よりも厳しいかもしれませんね。
みなさんは、A判定をはるかに上回っている受験生を「あのくらいになると悩むことなんてないんだろうなあ」と羨ましがっているかもしれません。
しかし、おそらく彼ら彼女らは、「落ちる訳にいかない」というプレッシャーに潰されそうになっているはずです。
誰もがこのような緊急時には”隣の芝生は青い”と感じるのです。
A判定をはるかに上回っている受験生のみなさんは”模試の成績がもっと悪ければ期待されずに済んだのに”と思ってるのではないでしょうか。
それはともかくとして、私自身の択一試験は、試験時間中冷や汗をかきながら、緊張感で手が震えながら、時々頭が真っ白になりながら、散々な思いをして、無事終えるができ、何とか合格しました。
このように、終わってしまえば”案ずるより産むが易し”なのですが、今現在、必死になっているみなさんには虚しく響くだけかもしれません。
ただ、ひとつだけ確かなことは、人間というのは本人が思っているよりずっとずっと強靱なものだということです。
あなた自身は、あなたが想像するよりもにはるかに強靱にできているのです。
にわかには信じられないかもしれませんが、これは事実です。
どうか、あなた自身が持っているあなたの知らない強靱さを信じてあげて下さい。
かのエルヴィスプレスリーでも、本番前はガタガタに緊張して歌詞を忘れないかどうかが不安で一杯だったようです。
みなさんはエルヴィスなんてご存じないかもしれませんね。
私が中学生の時、ハワイでのコンサートを衛星中継で日本に流したという、まさにキング・オブ・ロックです。
サザンよりは世界的に有名でしょう。
そういう人でも本番前はガタガタに緊張するのです。
エルヴィスが緊張したり上がったりしたのは、それだけ一生懸命になって歌おうとしていたからです。
真剣に取り組めば取り組むほど、上がりや緊張が生じるのです。
いいかげんにやろうとしているのなら、上がることも緊張することもないでしょう。
そんな彼を、私はカッコイイと思います。
みなさんが、もし緊張したり上がったりしているのを感じたら、「自分って案外カッコイイかも」と思って下さいね。
本当にかっこいいですから。
みなさんが、思いっきり緊張して上がってしまって、エルヴィスのようにかっこよくなるのを心からお祈りしています。
そして、みなさんの中にある強靱さを信じてあげて下さいね。
明日の試験では、みなさんそれぞれが主役なのです・・・(*^_^*)