今回は、「なぜ、我が子を東大に行かせたいのですか?」(峰如之介著 すばる舎)をご紹介してます。
大掃除中に見つかった2007年11月発行のいささか古い一冊です。
本書の構成は以下のとおりです。
序章 東大合格はゴールですか?
第1章 充実した教育環境での学び
第2章 志と知力を磨く教養主義教育
第3章 絶対に下位集団をつくらない
第4章 本当にゆとりある授業を目指す
第5章 適性検査で試される「考える力」
第6章 家庭で育てる子どもの学ぶ力
終章 我が子の10年後を見つめて
九段中等教育学校、小石川中等教育学校、両国高等学校附属中学校の、斬新な取り組みや、志の高い教育理念の実践が紹介されています。
九段中等教育学校の適性検査(問題)を呈示し、丸暗記では解けないという趣旨の指摘がなされています。
(いずれも2007年当時のことなので、現在は変わっているかもしれません)
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東大合格がゴールでなくなってから数十年が経ちます。
一流企業への入社がゴールでなくなったのと同じです。
そういう意味で、公立中高の斬新な取り組みは大いに評価すべきだと思います。
私自身、地方の公立高校出身ですが、先生方の(ある意味)献身的なご努力のおかげで東大に現役合格できたと感じています。
当時の先生方は決して悲壮感を持っていたわけではなく、表現は悪いですが「自分たちで育てた競走馬たちの成果」を楽しんでおられ感がありました。
ただ、九段中等教育学校の適性検査を一目見て、(少なくとも私には)公立の普通の小学校での教育だけで解ける問題とは思えませんでした。
著者は、学習塾での講師の先生方の(献身的ともいえる)授業を観たことがないのではないか、という疑問さえ浮かんできました。
おそらく今の季節、進学塾の先生方の多くは12時間以上の実質労働をされておられるでしょう。
学習塾依存の脱却という発想は、司法試験改革での「予備校依存の脱却」と同じように(私には)思えてしまいます。
当時の司法試験予備校では、大晦日も元日も講義がありました。
九九のできない中学生や、義務教育すら十分に受けられない子どもたちの存在も、決して忘れてはならないと思います。
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