今回は献本いただいきました「クイズで学ぶ孫子」(守屋淳、田中靖浩著 日本経済新聞出版社)をご紹介します。


本書は、大ベストセラーとなった「孫子」の著者であり孫子研究の第一人者である守屋淳氏と、公認会計士の田中靖浩氏の共著です。


形式としては、最初に孫子の兵法について触れられた後、概ね触れられた部分に関する質問と解答によって構成されています。

ただただ読むだけでなく、頻繁に自分の頭であれこれ考えながら読んでいける形式になっていますので、孫子の兵法の理解はもちろんのこと、現代社会における企業戦略についても深く記憶に止める効果が期待できます。


なかには、解答を見て「こんなのあり~」というものもありますが、お金をかけたクイズ番組でもないのですから、その辺でケチをつけるのは大間違いというものです。


面白い設問として例を挙げますと、「一般に妻の不倫はばれにくいのに対して、夫の不倫はばれやすいものです。夫としてばれにくくするためにはどうすればいいでしょう?」という趣旨のものがありました。


解答は「人妻と不倫をすること」でした。

これは、私の弁護士の経験からも当たってます。

弁護士的な理由としては、不倫相手の女性が家庭を壊したくないことからばれるのを防ぐのに対して、独身女性は男性の家庭を壊してでも男性を獲得しようとするケースがあるので、後者の場合は不倫相手が妻に薄々ばれるように仕掛けることがある、というものです。

ところが、戦略的な観点からの解答は一味違った面を持っており、私も思わず頷いてしまいました。


田中氏の公認会計士として会社を見てきた経験も学ぶことができ、極めて充実した一冊に仕上がっています。


特に、会社経営者や自営業者の方々には強くお勧めしたい一冊です。


クイズで学ぶ 孫子/日本経済新聞出版社
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