今回は、理科の学習方法について書こうと思います。
理科は、暗記問題とその場で考える「実験・観察問題」「物理問題」に大きく分けることができます。
まず、暗記問題は、最低限、確実に得点できるようにしておきましょう。
多くの塾では、暗記用の問題集を配布していますので、そういうものがあればどんどん解いて憶えていきましょう。
塾の教材がなければ、これまた日能研の「メモリーチェック」がお勧めです。
それ以外にも、基本事項暗記用の教材はたくさん出ていますので、お子さんに合ったものがあれば、別の教材でも問題はないと思います。
暗記のコツは、短時間、多数回です。
これは国語の漢字も同じなのですが、私は娘に漢字を憶えさせるために「漢字速書きコンテスト」と勝手に命名した練習をやっていました。
その日の憶えるべき漢字の”よみ”を私がテンポよくどんどん口に出していき、娘は同じテンポで漢字を書いていくのです。
できなかったものをチェックして、2回目はできなかった漢字だけを同じようにテンポよくやっていき、それでもできないものがあるときは、テンポよく3回目をやります。
まあ、3回くらいやればたいてい書けるようになります。
しかし、ここでできたからといって確実に頭に入ったわけではありません。
時間を開けてから、もう一度、場合によっては、時間をあけてさらにもう一度、と繰り返します。
1回あたりの時間は、テンポよくさっさとやっていくのでさほどかかりません。
それを時間をあけて3回くらいやっても合計時間はたかだかしれています。
2度3度と間違えたり書けなかった漢字は、しっかりチェックをしておいて寝る前や翌日にサラリとおさらいをします。
理科の暗記事項も、基本的には漢字と同じく「短時間・多数回」方式をとりましたが、漢字と違って問題文が長いのでそうそう何度も繰り返せません。
そこで、私と娘の「Q&A」を当時はカセットテープに録音して、朝食時や車での移動時間に聞かせていました。
これは、意外なほど効果的でした。
私が間違えてしゃべってしまったり、ヒントをあたえたり、逆に娘がとんでもない解答をしたのがしっかり録音されており、2人で大笑いしながらしっかり憶えることができました。
最近の車はカセットがついていませんので、ボイスレコーダーなどを利用すればいいと思います。
余談ですが、私は学習用機材としては、まだまだカセットテープが便利だと思っています。
途中で止めておいて電源も切れますし、すぐ前の部分に戻すことも簡単です。
雑誌の取材などでもカセットレコーダーが使われることが多く、おそらく編集者さんたちもカセットというローテクの便利さを実感しているのでしょう。
理科の暗記問題は、「実験・観察問題」や「物理問題」で落としても大丈夫なように、しっかりものにしておきましょう。
「実験・観察問題」で間違える最大の原因は、”思い込み”です。
テキストに書いてあるのと同じグラフがそっくりそのまま出てきてくれればいいのですが、そういうことはまずないと考えるべきでしょう。
「実験・観察問題」は、問題文で与えられた条件の下でどうなるかを解く問題ですので、条件さえしっかり理解できれば(たとえ知識がなくとも)その場で解けるよう工夫がしてある問題がほとんどです。
逆に、記憶に頼ってその場で考えないと間違えてしまいます。
ですから、対策としては、頭を白紙にしてその場でしっかり考える癖をつけるしかありません。
問題に書かれている表とグラフの関係をしっかり読み取るなど、予断を排除して素直に考える練習をしましょう。
そのためには、いろいろな形式の「実験・観察問題」を解くのがいいでしょう。
「記憶に頼らず、しっかり読み取る」
という姿勢をお子さんの頭の中に叩き込んで下さい。
「物理問題」は・・・得意なお子さんは得点源になりますが、不得意なお子さんにとってはものすごく苦手な分野です。
今の段階で志望校や併願校が決まっていて、過去に一度も「物理問題」が出ていなければ潔く捨ててしまうという手もありますが、現時点では捨ててしまうのは不安ですよね~。
今の時点で「とっても苦手」「見ただけでぞっとする」という場合の対処法としては、短期集中作戦で得意科目に変えてしまう方法が最も手っ取り早いでしょう。
「物理問題」、具体的には滑車などの問題に、仮にレベル1からレベル5までの難易度があるとしたら、レベル1の問題を何度繰り返し練習しても、絶対にレベル5の問題が解けるようにはなりません。
これが、算数の基本問題の繰り返しと異なるところです。
レベル1やレベル2の問題は、どんなお子さんでも割と簡単にできます。
レベル3くらいから、すこしややこしくなって頭がこんがらがってきます。
こういう場合は、レベル3を何度か繰り返して一応(あくまで一応です)マスターしたら、レベル4に移ります。
レベル4も同じように何度か繰り返して一応マスターしたら、同じようにレベル5までいってしまいましょう。
こうしてレベル5が一応マスターしてできるようになったら、1回転終了です。
どれくらい時間が取れるかは、お子さんの塾の宿題や休日の空き具合によって異なりますが、初日に3回転、翌日に3回転、つまり合計して6回転すればその分野は確実に得意分野になります。
これには、きちんとした理由があるのです。
中学受験レベルで課すことのできる物理問題のレベルには上限があります。間違っても高等数学を使わなければ解けない問題は出題できません。
ですから、レベル5が上限だとしたら、それを超えるレベルの問題は出題できないのです。
つまり、レベル5までを完全に解けるようにしておけば、確実に得点源にできるのです。
だからといって、レベル3くらいまでの基本を繰り返していても、レベル4やレベル5をさくさくと解けるようにはなりません。
たっぷり時間があって、しっかり考えれば解けるかもしれませんが、算数の大問とは違いますので、時間的余裕はないでしょう。
となれば、レベル5までの1回転を集中的に何度もやって、短時間で解けるようにしておく必要があるのです。
1回転目や2回転目は時間がかかるかもしれませんが、3回転目以降は次第に短い時間で回せるようになります。
仮に、4回転目でつまづくことなくスラスラ解けるようになれば、そこで止めてもかまいません。
大切なことは、このレベル1からレベル5までの回転(レベル1、2は省略してもいいでしょう)を、1週間後にやってみて同じように解けるか、2週間後にやってみて同じように解けるかを確認することです。
しっかり解けるようになって頭に叩き込んでしまえば、後は忘れないようにすればいいだけです。
確実に得点源にすることができます。
お子さんの苦手意識や集中力にもよりますが、どんなに苦手なお子さんでも、2~3日集中して6回転こなせば、必ず理解がついてきて頭に叩き込まれるはずです。
「物理問題」のマスターの仕方には、お子さんの性格や学年によっては、もっともっといい方法があるかもしれません。
最難関レベルまでを数回転させる方法は、あくまで私が娘に使った方法ですので、塾の先生と相談されるなりして、効果的な攻略法を考えてみて下さいね。
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