昨日は、規則正しい生活を「習慣化」する必要について書きました。


はっきり申しまして「習慣化」するまでは辛いです。

お子さんの眠そうな顔を見ていると、ついつい寝かしておいてあげたいという親心が出てくるときもあります。

しかし、ここは心を鬼にしましょう。

大人だって眠いのを我慢して早朝に起きて勤めに出なければなりません。

「子どもなのにかわいそう」

と思うのは親の思い過ごしです。

規則正しい生活習慣をつけてあげることこそ、お子さんに対する愛情だと思って下さい。

幸い「習慣化」できてしまえば、お子さん本人はそれほど辛くなくなりますから。


さて、今回は、多くのお子さんの悩みの種である「算数」について、この時期からどのように取り組めばいいかを考えてみたいと思います。


実は、わが娘も受験戦線に参入するのが遅かったせいで、算数について苦手意識を持っていました。

5年性の夏からSAPIXのα1に入れてもらったのですが、ここで大きな挫折を味わったのです。

「同じクラスの子どもたちが当然知っていることを自分は知らない。どうしよう・・・」

という気持ちが次第に大きくなってきて、

「自分はできないんだ」

という劣等感に変わってしまったのです。


客観的に見れば、早いお子さんは小学校の低学年から通っていたりしますので遅れがあっても仕方がありませんし、中学受験塾は「らせん状」のカリキュラムを組んでいるので「ひとつの分野」が巡ってきたときに基本から学習すれば問題なかったのですが、子供心ではそこまで思いが至りません。


小6になって早稲アカの算数のO先生が大好きになったものの、算数に関する劣等感はぬぐえず、模試の点数もアップダウンを繰り返しました。


親である私は、娘の算数の不安定さに大きな不安を抱いておりました。

そんな折、ミスターツカムのメルマガに、

「算数が苦手だという子は基本を7回やって下さい」

と書いてありました。


はっきり言って、この差し迫った時期に「基本を繰り返す」なんてにわかに信じることが出来ませんでした。

本試験に出るような応用問題をしっかり解いておかないと間に合わないじゃないか、というのがその時の私のホンネです。


そうは言っても、私は中学受験の経験もなければ講師の経験もありません。

どうすれば娘の算数の成績を安定させられるかについてのノウハウは全くありませんでした。


そこで、原点に戻って考えなおしてみました。

その結果、私自身の人生のポリシーのひとつである「餅は餅屋に」、つまり専門的なことは専門家に素直に従うということと、メルマガの文面からにじみ出るミスターツカムの実直な人柄を信じることにしました。


余談になりますが、有名大学を卒業されたお父さんやお母さんは、自分の成功体験を重視しすぎる傾向があるようです。

時代が変われば受験も変わるのです。

謙虚に、塾の先生方のような専門家の意見に耳を傾ける姿勢を忘れないで下さいね。


話を戻しましょう。


ということで、小6の夏近くまでお世話になったSAPIXの基礎トレをぜんぶ引っ張り出してきて、新5年からの分をO先生に教わった「2度解き法」で毎日解かせることにしました。

塾の宿題等もありますので、時間的には1日30分程度しか使えませんでした。

ただ、11月ころから毎日欠かさず算数の基本問題に集中させる習慣を付けさせました。

おかげさまで、1月入試が終わる頃にはグンと実力が伸びて

「どこでも落ちる気がしない」

などと娘が偉そうに口走るまでに自信をつけることができました。


よくよく考えれば、算数の基本の繰り返しはとてもとても重要なことなのです。

大学受験で数学の勉強をされた方なら「チャート式」を使った経験があるでしょう。

「チャート式」では例題の下に基本問題が何問か出されており、ひと項目終わると、これまた「基本問題」と「応用問題」があったと記憶しています。

知らず知らずの間に、基本問題の繰り返しができるように工夫されているのです。

「算数」「数学」は、理解しただけでは不十分です。

基本問題くらいは反射的に解けるくらいにしておく必要があります。

そこまで基本を頭に叩き込んで、初めて応用問題が解けるようになるのです。


基本の大切さを軽視していた私は、中学受験生の親としては失格でありました。

親にとっては当たり前のようなことでも子どもにとっては生まれて初めて接する事柄ばかりですから、身につくまでとことん基本を叩き込む必要があったのです。


桜䕃に合格した友人の娘さんも直前は一生懸命「基礎トレ」を解いていたと後刻聞き、直前期の基本問題の繰り返しの重要性を再認識しました。


その後、ミスターツカムご本人に、どの程度を基本レベルというのか尋ねたところ、日能研が出している「ベストチェック」レベルの問題だと教えてくれました。


応用問題や過去問は塾でしっかり教えてくれます。

親がサポートすべきは、基本問題を毎日欠かさず解くようにスケジューリングすることでありましょう。

塾で日々の基本問題演習が課題になっているなら、それをしっかりこなすと同時に、新5年時の時の基本問題も30分くらいは解いていきましょう。


きっと、1月2月ころには、驚くほど「算数」の力がついているはずです。


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お子さんとのコミュニケーションが円滑になること請け合いです。

何卒よろしくお願い申し上げますm(_ _)m