とける、とろける～読書ブログ

今回は、「とける、とろける」(唯川恵著　新潮社）をご紹介します。

本書をご紹介するかどうかは、いささか迷いました。

といいますのは、ある意味、著名女性作家なら見た「体の相性」について書いていて、特に女性の方々には参考になると思ったのですが、様々な経験知を持つ私としては「まだまだ甘い」という部分があるように思えたからです。

それは、かの渡辺淳一作品でも感じたのですが、現実は小説よりも奇なりという言葉どおり、現実に直面することが多かった私にとっては、この作品もいささか甘い面があるということでしょう。

おそらく、多くの方々が感じておられるよりも、男女の間の問題は複雑かつ個性的であり、「ええーそんなのあり！」と思うことが多いと考えます。

例えば、現実の離婚や別れに際して、当事者間で撮影したビデオ等を処分した経験を私は何度かあります。

もちろん、中身は見ずにライターとハンマーでぶち破るのですが、中身についての想像はつきます。

相談者等の話を聴いていても、驚くことが少なくありません。

官能小説家に転身した方がいいのではないか･･･などと思っている、今日このごろです(^^;)

いずれにしても、日本における性は「無知」と「羞恥心」で塗り固められているようです。

それを打破する一冊になっていただければ幸いです。

短編集ですが、それぞれの物語は好みによって別れると思います。

特に、女性の方にはご一読をお勧めすると共に、この程度ではないという余計なひと言も付記しておきます。