独立・起業を考えてはいるものの、いったい何をやればいいのかわからない。

という人もたくさんいらっしゃると思います。


本来は、このようなことは各人の適性や持っている特技や資格などから考えることで、私が口出しするようなことではないのですが、少しだけ一般論を・・・。


当たり前のことで恐縮ですが、レッド・オーシャン(競争が厳しい業態)は避けてブルーオーシャン(あまり競争がない業態)を目指すべきです。


これは、起業する際の地域性に左右されることがあります。


たとえば、ラーメン店は東京ではものすごいレッドオーシャンです。

年間、大変な数の店がなくなっては、同数くらいの新規開店があるそうです。

このような事情を教えてくれた店主が経営するラーメン店は既になくなりました・・・。


ところが、地方に行けばラーメン店はブルーオーシャンなのです。

具体的には、私の故郷の三重県伊勢市では、正直言って美味しいラーメン店がありません。

出店やその後の経営をうまくやっていけば、流行ること請け合いです。


伊勢市と同じような地域がたくさんあるはずです。

人口が多い地方の100万都市でも、探せば美味しいラーメン店がブルーオーシャンである地域があるかもしれません。


伊勢市で江戸前寿司店を開業した店主に

「どうして伊勢市で開店しようと思ったのですか?」

と尋ねたら、答えは次の通りでした。

「伊勢市内に江戸前寿司店がほとんどなかったからですよ。ぼくは東京で修行していたのですが、開業するならライバルが少ない方がいいと思って」

その寿司店はずいぶん繁盛して、今では店も大きくしています。


逆に、東京がブルーオーシャンである飲食店もあります。

「讃岐うどん」が好例でしょう。

私は、長銀の高松支店に赴任しておりましたが、讃岐うどんの美味しさには本当に腰を抜かさんばかりに驚きました。

首都圏から赴任してきた男性行員たちは口を揃えて、

「讃岐うどんの店を東京で開けば絶対に繁盛するのになあ~」

と言っていました。


今は、チェーン店が2つくらいありますが、本場の味にはかなわないものの、それなりに繁盛しているように見受けられます。


このように、飲食店などは、場所によってレッドオーシャンになったりブルーオーシャンになったりしますので、開店する際はしっかりロケーションを考えましょう。


もちろん、場所によってレッドになったりブルーになったりするのは飲食店だけではありません。


以前書いた、実家で開業した友人の社労士の地元は、実は社労士数でいえば、その地域にしては多かったのです。

ところが、よくよく調べてみると、たくさんいらっしゃる社労士さんの多くがかなりのお年の人ばかりで、機動性とは無縁の人たちばかりでした。


彼は、地元で社労士を開業すると、車であちこちの見込み客を回りました。

わざわざ来てくれる社労士さんはとても便利でめずらしかったことから、彼はどんどん顧客を獲得していったのです。


ライバルの数だけで考えてはいけません。

自分の独自性が発揮できれば、同業者の数が多くてもそこはブルーオーシャンたり得るのです。


逆に、設計事務所などは、建物の新陳代謝が少ない地方ではレッドオーシャンのようです。

ライバルの数が多くても、どんどん新しい建物が建っている都会のほうが相対的にブルーオーシャンだと言う設計士さんがいました。


このように考えると、小売業はどんどんブルーオーシャンがなくなっています。

ネット販売が一般的になったことから、全国どこからでも注文ができるようになったからです。

酒販店などは、地方ではどんどん減少しています。

ネットやコンビニで簡単に買えるからです。しかも安く。


ところが、地方でも元気な酒販店もあるのです。

その店は、基本的には酒類全般を扱っているのですが、ワインに関する知識が豊富な店主と奥さんがやっていて(奥さんの方が知識が豊富でした)、店内にセラーがあり、いいワインがしっかり保存されています。


ワインの知識が少しでもある人でしたらわかるように、ワインは保存がとてもとても重要なのです。

ネット通販だと保存状態までわからず不安なのでいつもの安心した店を利用しようという常連客を、その店はたくさんもっているのです。


もっとも、成城石井のようにワインの保存にとても気を使っている店がネット販売していることが一気に広まると、それらの店からネット通販で買う人が増え、地域の店の独自性がなくなるかもしれませんが・・・。


もうひとつの強みである知識の豊富さで差別化できるかどうかが勝負となってくるでしょう。

その店では、

「今日の夕食は○○なんですが、それに合うワインありますか?」

という問いに対しても的確に答えるノウハウがあります。



以上、独立・起業に際してはブルーオーシャンで戦うべきだという当然のことを述べてきましたが、地域やライバル数だけでなく、自分の強みが発揮できるかどうかも是非考慮に入れていただきたいと思います。


ちなみに、私が元気に弁護士活動ができるとしたら、ブルーオーシャンは東京ということになるでしょう。

東京の弁護士は、全国的に考えると「手持ち事件」が圧倒的に少ないのです。

つまり、経験知という点では私は弁護士経験100年以上になりますので、東京では圧倒的な独自性を打ち出せるはずです。

要は、健康第一・・・ということですね(^^;)


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毎度の宣伝で恐縮です。

独立・起業はもちろん、人に納得して動いてもらうということは、いかなる世界でも必要不可欠です。


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