「社会や生物、地学などの暗記分野は直前で逆転できる」


中学受験生をもつ親御さんが、時々このようなことを言います。

模試等で、暗記分野が全体の成績の足を引っ張っているような場合、特にこのように考えがちになってしまいます。


しかし、これは大きな間違いなのです!


実は、私も娘の中学受験の時に、恥ずかしながら同じような考えをしていました。


おそらく、このように考えてしまう親は、自分自身の大学受験の時の成功体験に引きずられているのではないでしょうか?


私自身、高校三年生の2学期が終わるまで「日本史」と「世界史」は授業が終わりませんでした。

「日本史」に至っては、高校三年の4月から始まっていましたので、「日本史」と「世界史」を社会で選択した私は、模試の社会の成績はボロボロ。

全科目の成績の足を思いっきり引っ張っていました。


本試験直前に大挽回をして、何とか合格することができましたが・・・。


今の高校ではここまでムチャなカリキュラムではないかもしれませんが、現役生は暗記科目に大きな”伸びしろ”があるので、直前で挽回できるというのが、大学受験での暗黙の了解事項です。


それが、いつの間にか、暗記科目は直前で伸ばすことができる、になってしまい、中学受験でもそれが通用すると思ってしまう親御さんがとても多いのです。


しかし、よ~く考えてみて下さい。


中学受験の場合、浪人生は一人もいません。

ライバルたちは、自分のお子さんと同じ現役生だけです。


仮に、暗記科目は直前に伸びるとしても、それは受験生全体にいえることなのです。

早稲アカのM先生のように、直前で社会の暗記を伸ばすノウハウを持っている講師等に教えてもらっていない限り、暗記科目の直前のアドバンテージは全くないのです。


もちろん、算数や国語ができていれば一応の安心はできます。


だからといって、社会をはじめとする暗記科目を、直前で挽回できるなどと考えることは大変な間違いです。

模試で、暗記科目の成績のいい生徒たちは、直前に更に磨きをかけてきます。

差が縮まるどころか、ますます差をつけられてしまうのです。


ですから、暗記科目も普段からしっかりやっておき、模試で悪い成績を取ったらその事実を率直に受け止め、しっかり対策を練るべきでありましょう。


親御さんの頭の中にある漠然とした”暗記科目は直前で挽回できる”という思い込みは、中学受験では決して通用しないということを忘れないで下さいね。