最近、巷では憲法96条の改正を巡って様々な議論がなされています。


国会議員の発議を過半数でよしとすると、政権与党が変わるたびに憲法改正がなされてしまうという乱暴な論説から、そもそも憲法は権力側を国民が縛るものであるから、権力側の要件を緩和するのはおかしいという一見筋の通った論説も見られます。


しかし、96条改正反対説は、国民投票というものを軽視し過ぎているように私には思え、一国民として不快感を拭い去ることが出来ません。


国民投票の危うさを正面から認めるのであれば、いっそのこと国会議員の発議を過半数にして国民投票の要件を3分の2以上にするというのはいかがでしょう。


それにつけても、過半数より重い要件を課するというのは、少数派の意見を多数派の意見より尊重しなければならない特段の事情が必要です。(34%の意見に反対派である66%が従わなければならない訳ですから)


多くの見解が散見されますが、憲法改正は、「時代に則し」かつ「権力の横暴を防ぐ」という意味合いを見失うべきではないでしょう。