中学受験から大学受験や資格試験に至るまで、20年前と比べると受験生の使用している教材はガラリと様変わりしています。


まあ、中学受験の場合は塾が作成しているテキストが変われば受講生も会わさなければなりませんのでやむを得ない面がありますが、参考書などもどんどん新しいものが出てきて、受験生はそれらを使っています。


大学受験や資格試験となると、20年前、30年前と同じ教材を使っている受験生はほとんどいないといってもいいでしょう。


しかし、私が思うに試験そのものは(新課程と旧課程の変更や法律科目での条文改正などを除けば)、本質的にそれほど違ってはいません。

現に、昨年だったでしょうか、「試験に出る英単語」が大ブームになって売り切れ続出となったようです。

同書は、おそらく30年以上前に初版が出版されたもので、近年まではあまり見向きもされなかったようです。


他の大学受験参考書などでも、私自身が使用した参考書が改訂を重ねて生き残っているのを見ると、ついうれしくなります。

司法試験民法なども、「効果」のほうから考えていく最近の学説よりも、「要件」→「効果」をきっちり押さえた我妻説の方が遙かに論理的ですっきりしています。


このような事情を見るにつけ、新しい問題を改訂などでしっかり補ってさえいれば、永年月を生き抜いた参考書の地力は大変なもので、見やすいけれど本質がわからないポッと出の参考書より力が付くような気がします。


受験生やその保護者の方は、そのような名著をもう一度手に取ってみてはいかがでしょう?

新しい本で孫引きしている内容の原典にあたっただけで疑問が氷解することも、決して少ないないと思います。