すみません。

法律クイズの回答を書くのを忘れておりました。


民法402条1項前段には次のように規定されています。

「債権の目的物が金銭であるときは、債務者は、その選択に従い、各種の通貨で弁済をすることができる」


この規定によると円はもちろん、ドルやユーロで1万円を作るか、それ以上の支払いを麻生さんが認めれば問題ありません。


もっとも1万円を返すという合意の中には「円で返す」という当事者間の意思があると考えられますので、同条但し書きの「ただし、特定の種類の通貨の給付を債権の目的としたときは、この限りでない」が適用され、円で支払う合意があったとみるべきでしょう。


では、麻生さんは福田さんが持参した1円玉1万個を受け取らなければならないのでしょうか?

「貨幣の単位及び貨幣の発行に関する法律」7条には「貨幣は、額面価格の二十倍までを限り、法貨として通用する」と規定されています。

すると1円玉は20円までしか通用しないということになります。


では、1円玉20枚、5円玉20枚、10円玉20枚・・・というようにしていけば、福田さんとしては十分嫌がらせができるようですが、本法の趣旨は貨幣の過度な使用を制限するものですので、こういう方法はできないと解されています。

(条文上はできそうに私には思えるのですが・・・)


ですから、麻生さんは1円玉であれば20円を超える分の受領を拒絶することができます。もちろん任意に受けることもできますが。


福田さんとしては、50円玉20枚を麻生さんに返すのが精一杯の嫌がらせということになります。