「海外移住なんて、今更無理だよね」
海外移住や二拠点生活の話をしていると、40代、50代の方から、この言葉をよく聞きます。
「でも、やっぱり人生で何かをやり残している気がする」
と本音が続くことも多い。
無理なのではなくて、ただ、重く捉えすぎているだけ。
私は、そんなふうに思っています。
安定した暮らしが、重荷になっていく
年齢を重ねると、暮らしは少しずつ安定していくはずです。
収入が上がる。
肩書きがつく。
家を買う。
将来のために、ひとつずつ積み上げていく。
しかしその反面、気づけば身動きが取りにくくなっている。
「将来のために」と思って、人生に保険をかけ続けてきた。
その結果、人生そのものが、ひとつの保険みたいになってしまう。
気づいたときには、時間も場所も簡単には動かせない。
毎日、仕事や家のこと、決まったルーティンだけで埋まっている。
私の場合、それをはっきり感じたのは、スイスへの赴任から日本に戻ったときでした。
夫婦ともにポジションが上がって、仕事と子育てで忙しさはさらに増した。
毎日を回すだけで精一杯で、まさに心を亡くすような日々でした。
イギリスへの移住は、ただ憧れていたから、たまたま実現したわけではありません。
この「重さ」を、一度どこかで断ち切らないといけない。
そう思って決めたことだったんです。
人生を重くしているものの正体
人生を重くしているものたち。それは、
長い時間自分を縛っている「肩書き」
住宅ローンや、少しずつ増えていく家の中の物。
惰性のまま続いている人間関係。
といったもの。
もちろん、どれも悪いものではありません。
ここまで真面目に生きてきたからこそ手に入れたものでもあります。
ただ、好きな国へ移りたいと思ったときには、一度立ち止まって見直すことになる。
40代や50代というのは、もしかすると、暮らしを少しずつ軽くしていく時期なのかもしれない。
そんなふうに思っています。
このまま重さを抱えたまま60歳を迎えたら、雇用は再雇用かパートになって、そこから先にはまだ30年が残っている。
その30年を、今と同じ重さを抱えたまま過ごすのか。
一度くらい、考えてみてもいいと思うんです。
私の父の口癖は、
「貯金はしなくて良い。お金は価値に変えなきゃ紙くずになる」
でした。
子どもの頃、お年玉を貯金箱に入れようとすると、怒られたことがありました。
今日より若い日は、もう来ない。
だから、自分の価値になるものに変えるのが良い、と。
お金をローンの返済に縛りつけるのではなく、自分の成長や事業、自分の心が動くものに使う。
私が今も自己投資を続けているのは、父のこの言葉が残っているからです。
命は、思っているより短い
その父は、私が10歳のときに亡くなりました。
「癌です」と告げられてから、数ヶ月でした。
直前まで、ブラジルのジャングルやチリまで調査に出かけて、休みの日も書斎で語学を勉強していた人です。
そんな父が、ある日を境に、あっという間にいなくなった。
何を手放して、何を残すか?
軽くするといっても、何もかも捨てればいいわけではありません。
雇用や肩書きは、自分で価値を生み出せる仕事に置き換える。
物やローンは、自分が身軽に動ける範囲にする。
人間関係は、これからも深く付き合いたい人を大切にして、そうではないものは少しずつ手放していく。
そして、最後に残したいのは、
「世界のどこにいても、誰かの役に立てる。その対価で、自分も暮らしていける」
という自信なんだと思います。
軽くなった人生に、海外移住という夢が見えてくる
色々なものを手放して、
暮らしが少し軽くなると、
人生に「選択肢」や「余白」が戻ってきます。
ずっと住んでみたかった場所に、
家族と暮らすのもどうだろうか?
そんな考えが、以前より現実味を帯びてくる。
今、私の主催しているコミュニティのメンバーは世界の20か国に散らばって暮らしています。
重さを手放して軽やかに動いた人たちが、移住したあともつながって、横で助け合っている。
海外に挑戦する人たちの夢を、一緒に実現していく。
それを、私は生涯の仕事にしていきたいと思っています。
いつか人生が終わって、誰かに魂のバトンを渡すとき、
「ああ、ちゃんと魂が震える人生だった」
と言えるように生きたい。
憧れのまま抱え込んで、人生をさらに重くしてしまうのは、もう終わりにしていい。
まずは今の暮らしの中で、手放せるものをひとつだけ、書き出してみてください。
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