サービスエリアでそばを食べていたら涙が出ていた。
靴も壊れてまともに歩けない。
夢遊病者の様だった。

僕が唯一まともでいる方法は写真を撮ることだと思い、琵琶湖まで来た。

寒かった。




マジックアワーは少し過ぎてしまった。
足元が悪く転びそうになった。
明るくなると山が白いことに気づいた。



雨に濡れていた。



寒さに震えながらシャッターを切るだけ。
何も考えたくない。
頭がぼやけてくる。



もう冬なんだなと改めて思った。



少し面白くなってきた。
琵琶湖の北側から、西側へ回り込んで何度も車を止めて撮った。

山から銃か発破の音が響いてくる。



少しだけ眠いけれど車を止めても眠れなかった。



比叡山に登ってみた。
手を合わせることもなく、ひたすら歩くだけ。
東塔、西塔、横川と震えながら歩く。
誰も信じられない。



誰とも話したくなかったから電話には出なかった。
でも家に帰ろうと思った。
現実と向き合うのが嫌だ。



どうやって生きて行くべきか分からない。



でも、悲しみが表現したい気持ちを強くさせた。