桜の後は、新緑やあやめなど、青みのあるものに、初夏の爽やかさと彩りを感じます。


先日、能の杜若(カキツバタ)を観ました。


伊勢物語を元に、有名な東くだりの「唐衣 着つつ馴れにし 妻しあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ。」の和歌も含まれ、カキツバタという言葉が出てきます。


演じられる作品には、綺麗な紫色の装束が使われます。そして、その色を表す日本語でも、カキツバタと同じ種属性の菖蒲と名のつくものがあるそう。菖蒲色と呼ばれ、それが現在の紫がかった色を示すようになったのは、江戸の後期からとのことでした。


季節の清々しさを、目にも耳にも満喫しました。