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デビッド・アトキンソン氏の
「イギリス人アナリストだからわかった 日本の「強み」「弱み」」です。
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氏が指摘するように日本と海外を比較して日本の強みが
いかに優れているかを称賛する番組が増えています。。
確かに日本のアドバンテージを知る事は重要で、
ひいては日本人として自尊心を満足させる事も含めて
一見良い事のようにも思えますが、
どうもマスコミの視聴者をターゲットにした歪曲した事象のように感じます。
また、未だに日本の中枢を牛耳る団塊の世代にとっての
「Project●」のような耳障りの良い番組なのでしょう。
一方で「弱み」を認識して「強み」に変えていく視点がここでは不足します。
また日本の特殊性を言い訳にしない事も重要で社会経済の原理原則から、
特に日本の高度成長期と現代の違いが明確になります。
キーワードは人口です。
人口1億人を超える国がこの地球上に12か国しか存在しませんが、
日本は意外にも人口で10番目に位置します。
日本はよく“極東の小さな島国”、みたいな表現をされますが立派な人口大国です。
また、周辺海域を含めると世界4位の面積を誇る海洋国家でもあり、
外国に対してスケール面で卑屈になる要素は全くありません。
さて、GDPは国内で生産されたモノやサービスの総和ですが、
人口の影響が大きいのはご想像の通りです。
日本は長らくGDP2位でしたが、今や中国に追い抜かれて3位となっています。
(中国の統計は本当なのか?)
一方で一人当たりのGDPは26位と国全体と比較して大分開きがあります。
この点について主に筆者は生産性の違いであると指摘します。
ちなみに、主要都市が焼け野原と化した
1945年の敗戦から直近まで日本のGDPは50倍になっていますが、
1939年と比較すると18倍まで下がります。
実は既に当時の日本は世界第5位のフランスと並ぶ経済大国だったのです。
日本の「弱み」は、一人当たりのGDPにみられる効率の悪さです。
詳述は避けますが、特に高度成長期に培われた
日本独特の習慣が効率の悪さを加速させていますので、こ
れが改善できれば劇的に飛躍できる可能性も秘めています。
本書の結論として、観光こそが日本再構築の切り札になり得る、と締めくくります。
詳しくは私が8月にパリで発信した
「新・観光立国論」が参考になります。
1000万人を超えたとはいえ、日本の観光客数は世界第26位。
皮肉にも1人あたりのGDPと同じランク。
島国という事を差し引いても10位以内に入るべきですし、
表層的なおもてなしをアピールするのではなく、
客単価向上のためにも海外の富裕層が
満足するサービスの充足も必要となります。
さらに観光資源に対する予算はあまりにも少ない状況です。
個人的に欧米と東南アジアは主な箇所は巡った事がありますが、
観光産業を推進する上で日本には素晴らしいインフラが存在するため、
観光産業を盛り上げるベースは既にあります。
例えば、観光客数1位(同国の人口よりも多い8400万人!)のフランス。
パリは確かに観光都市として素晴らしいのですが、
主要観光地での1時間単位の長蛇の行列、トイレの少なさ、
看板の分かりにくさなど、反面教師とすべきポイントが数多くあります。
尽きるところ「なぜローカル経済から日本は蘇るのか」の
冨山氏の論ずる、G(グローバル)とL(ローカル)の世界という観点から、
日本のLの世界は1.2億人を有する大きな市場なのです。
これに1000万単位の観光客が加われば、
著者の言う成長率8%も夢ではないかもしれません。
冒頭で触れたように「弱み」を真摯に受け止めて「強み」に転化する、
これを邪魔する(?)悪しき習慣を取り除く作業が日本には必要と感じます。
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