福岡のパワースポット① 櫻井神社の謎 | OH!江戸パパ

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福岡の北西に位置する糸島は海岸沿いに素晴らしい景観が続き、二見ヶ浦の夫婦岩を望む辺りは海水浴場も充実して、個性的なショップやレストランも集まり、たくさんの人でにぎわっています。

 

 

サーフィンも盛んで若者の聖地ともなり、福岡の一大リゾート地になっています。また福岡・博多からウェストコーストライナー号を使えば乗換なしで海岸沿いを眺めながら櫻井神社に行けます。この場合は右列窓際席がベストポジションです、フリーきっぷも出ていますのでチェックしましょう。

 

櫻井神社は去年、本殿、拝殿、楼門が国指定の重要文化財となっています。櫻井神社の謎というのは、博多の承天寺に櫻井神社より、谷宗理という商人が買付けて移築した鐘楼も同じように重要文化財クラスではないかという事です。
 

 

こちらが国指定重要文化財となりました、櫻井神社楼門です。かなり傷んでいるのは創建以来修復や再建されていないと思われます。屋根は銅板で覆われていますが、元は瓦葺であったと推測されています。扁額は1716年に掲げられました、「正一位興止姫大明神」(しょういちいよどひめだいみょうじん)と書いてあります。本殿と部材が若干違い、本殿より後に拝殿とともに建造されたと考えられています。
 

 

こちらも同時に重要文化財となった拝殿です。楼門とほぼ同じくらいの経年劣化があります。屋根は元は瓦葺で銅板屋根は昭和初期に葺き替えられたものと思われています。
 

 

こちらの列は本殿裏の岩戸神窟への参拝待ちの列です。紅白幕が掛けられている本殿は覆屋で保護されています。本殿には1632年の棟札が残り、建造された年が特定できて重要文化財への足掛かりになっています。
 
福岡藩二代藩主黒田忠之の時代に雷鳴とともに岩戸神窟が開き神霊が現れました。霊験あらたかな話が忠之公にまで届き、家臣を2度にわたり派遣して確かめさせ、社殿を創建しました。社領は200石です。黒田家の菩提寺の東長寺や崇福寺は300石程、聖福寺200石、承天寺100石です。これから見ても破格の扱いです。黒田忠之公は島岡大明神として祀られました。
 

 

岩戸神窟はなぜかかなりピンボケになってしまいました、撮影禁止にはなってなかったのですが
 

 

こちらは重要文化財に指定された本殿です。注目してほしいのは両脇の龍のレリーフです。楼門・拝殿と違うのは平成の保存修理により鮮やかな色彩が復元されています。
 

 

 
今年は辰年ということで、本殿両脇に配置された、【阿吽の龍】極彩色のレリーフです。この神社は創建のいきさつからまちがいなく霊験あらたかなパワースポットです、近年では嵐の櫻井翔さんにちなんで嵐ファンの聖地になっています。
 
 

 

さてこちらは博多の承天寺境内にある櫻井神社より1674年に移築してきた鐘楼です。櫻井神社は棟札にて1632年創建とわかっていますが、この移築してきた鐘楼は櫻井神社の楼門、拝殿、本殿と同じ時期のものなのか知りたいところです。少なくとも17世紀中期であるのはまちがいないので、同等の価値はあると思います。但し写真のように見比べると、承天寺の鐘楼の方が櫻井神社の
楼門・拝殿より損傷が少なく新しい物に見えます。
 
承天寺史を調べましたが谷宗理という商人が桜井神社より1674年に買取り寄進したとしか書いておらず、詳しいいきさつまでは書いていませんでした。この鐘楼が重要文化財クラスの建造物かどうかは謎のままです。