
滋賀県内の医療機関で電子カルテや在宅療養支援者の情報などを共有する「びわ湖メディカルネット」が今月からスタートした。NPO法人滋賀県医療情報連携ネットワーク協議会が運営主体となり、現在、滋賀医科大医学部附属病院、国立病院機構東近江総合医療センターをはじめ、21の医療機関で情報提供を進めている。今後、診療所や介護事業所、訪問看護ステーションなどを対象に、閲覧希望の登録を呼び掛けていく。同協議会によると、在宅に関する情報も含めた都道府県全域でのネットワークの構築は全国初という。【坂本朝子】
滋賀県では、国の施策である地域医療再生計画の一環として、2012年2月から「滋賀県医療情報連携ネットワーク整備検討会議」を設置。県内各地域の拠点病院、医師会、保健所などの医療関係者らで、全県レベルでICT(情報通信技術)を活用した医療情報連携のあり方について議論を重ねてきた。その結果、医療機関だけでなく、介護や福祉分野などでも利用可能とする、在宅医療や介護までを視野に入れた包括的なネットワークの構築が必要と判断した。
同ネットは、専用のネットワークでつながれた医療情報提供機関の「地域連携システム」を利用し、事前に同意を得た患者の診療情報のみを、暗号化の安全策を講じた上で、地域の診療所の医師らが閲覧できる仕組み。開示範囲は医療情報提供機関で設定可能で、ネットワーク全体では統一されていないが、同協議会の担当者によると、「地域ごとの協議会で話し合い、ある程度足並みをそろえるようにしている」という。
また、滋賀県医師会が運営する「在宅療養支援システム」も並行して利用可能で、在宅療養支援者の情報(治療に対する意思、家族・生活環境の情報)、診療所や病院の情報(看護サマリー、リハビリ計画書、食事の状況)が閲覧可能。こちらのシステムは書き込みもできる。
同協議会の担当者は、「疫学的な活用システムの充実やネットワークを通じた人材育成など、今後、もっとこの取り組みを発展させていきたい」と話している。