筑波大附属病院は、循環器内科の青沼和隆教授らのグループが、心房細動に対する新たなカテーテル治療に成功したと発表した。この治療は、今月1日に保険収載となった「経皮的カテーテル心筋冷凍焼灼術(アブレーション)」によるもので、国内での施行は初めて。同病院は「短時間で確実な心房細動治療が可能となった」としている。【新井哉】



 カテーテルアブレーションは、心臓内の不整脈を引き起こす異常な部分をカテーテルで焼灼し、正常なリズムを取り戻す治療法。不整脈の一種である発作性心房細動に対する治療法では、高周波エネルギーを利用した「高周波カテーテル焼灼術」があるが、術者の技術習得に時間がかかることに加え、手術時間が長いといった欠点があった。



 今回施行された冷凍焼灼術では、診断カテーテルを肺静脈に留置し、左心房内でバルーンを拡張し、肺静脈をバルーンで閉塞して3、4分間の冷凍アブレーションを行うため、短時間で均一な冷凍焼灼を確実に実施できるという。



 同病院は、患者への利点として、▽体外から血管を穿刺する本数が従来術式(高周波アブレーション)よりも少ない▽手術時間が従来術式の約3分の2に短縮される▽手術時間が短いため、より多くの手術施行が可能となり、患者の治療機会が増える―などを挙げている。



 青沼教授らのグループは今月1日に、発作性心房細動の男性患者(70歳)に、4本のカテーテルを大腿静脈と鎖骨下静脈から挿入し、計4本の肺静脈に冷凍焼灼術を行った。術後の経過に問題はなく、男性は3日後に退院した。同病院は「発作性心房細動患者の早期発見、早期治療が心房細動の持続性を防ぎ、重大な合併症である脳梗塞の抑制にもつながることが期待できる」としている。