W杯に臨む日本代表を現場で支えるのが、ザッケローニ監督の腹心たちだ。コーチのステファノ・アグレスティ(58)、GKコーチのマウリツィオ・グイード(57)、フィジカルコーチのエウジェニオ・アルバレッラ(48)のイタリア人トリオは、日本人スタッフと協力しながら黒子として貢献している。(奥村信哉)



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 ■アグレスティ・コーチ



 1985年から30年近く、ザッケローニ監督と行動をともにする懐刀。2011年のアジア杯シリア戦では、川島(スタンダール)へのレッドカードに激高して退席処分を受けた熱血漢だ。



 「ザックからはいろんなことを学んだが、落ち着いて試合を見ることはいつまでたっても学べないね」。だが決してイエスマンでなく、ミーティングでも周囲が心配するほど、監督に対して強く意見を述べる場面もあるという。



 早くからコンピューターを使ったデータ解析を導入。ボール奪取や奪われた回数など64項目を解析するソフトを駆使し、勝利を後押しする。



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 ■グイード・コーチ



 明るい性格で、テノール歌手のように歌がうまいと評判。代表合宿中に開かれる選手の誕生会でバースデーソングを披露し、拍手喝采を浴びたこともある。



 元イタリア代表アッビアーティ(ACミラン)ら、多くの名GKを育ててきた。「GKの仕事は90分間消えないこと。ボールを保持して攻撃できるよう、可能な限り(パンチングでなく)捕球するよう指導している」



 日本人GKの特長を「足元がうまく、正確なパスを出せる」とする一方、「世界と肩を並べるには、小さい頃からリスクを恐れずトライするメンタリティーが必要」とまだまだ積極性が足りないとも指摘する。



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 ■アルバレッラ・コーチ



 ザッケローニ監督との出会いは06年のトリノからだが、監督も「日本人のよう」と厚い信頼を寄せる。



 サッカー選手を目指していたが、若くして足首を負傷。リハビリとして始めたカヌーで五輪代表を争う存在となった。それでも愛着ある競技への思いは断ち切れず、「サッカーにおける体の使い方」をテーマに選んだ大学の卒論制作を契機に、トレーナーとしてサッカーの世界に戻ってきた。



 注目しているのは日本の学校教育。「日本は学校レベルで基礎体力を身に付け、さまざまな種目に触れ、自分で取り組む競技を選べる。イタリアは学校に運動する環境が整っておらず、専念するスポーツが親の意向、時には運で決まってしまう」と嘆く。



 高温多湿な気候と長距離移動が待ち受けるW杯。「参加する監督は最初の言い訳としてフィジカルコーチのせいにするでしょう」と笑うが、「4年間でコンディションをモニタリングするシステムを作り上げた」と調整に自信を示す。