「これが世界一なんだ」。31年ぶりとなる決勝の舞台で、日本女子のエース石川は中国の壁の高さを改めて知った。カットマン石垣の1ゲーム奪取が精いっぱい。それでも戦い終えた石川の瞳からは「すごくいい経験ができた」と充実感いっぱいの涙があふれた。
1点を奪うことさえ困難だったロンドン五輪女王の李暁霞と互角に打ち合った。「やってきたことを最初から出し切ろう」と、男子の練習に交じって磨いたフォアハンドで何本も決め、第1ゲームでは初めて7-3までリードした。勝つことはできなくても「ロンドン五輪より成長できている」と胸を張った。
今大会では戦力不足を嘆く声も多く、村上監督は「(けがで欠場した)福原のいないチームは7位くらいの力」と口にした。だが選手は反骨精神に燃え、試合ではベンチも一体になった。福原の代わりに入った石垣、初出場の田代早紀(日本生命)と森さくら(大阪・昇陽高)も存分に力を発揮し、最年長の平野は「1人でも欠けたらこの銀はなかった」とメダルを誇らしげに揺らした。
日本卓球協会は、2001年世界選手権(大阪)後から小学生の強化に着手。世界のプレースタイルを学ぶ若手育成は成功し、1カ月前には女子ダブルスで平野美宇、伊藤美誠の13歳ペアがワールドツアー最年少制覇を飾るなど次世代もたくましく育っている。
「打倒中国」の目標は変わらない。2年後のリオデジャネイロ五輪、その先の東京五輪へ。エースは「もっと強くならなきゃ。もっと強くなれる」と力を込めた。(青山綾里)
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