医学関連の辞書をよく使う翻訳家や医学生に加え、患者を含む一般の人にも医学辞典を活用してもらおうと、日本医学会は、1万5000円以上する医学用語辞典のウェブ版の無料公開を始めた。同会は「すべての医系学会の用語集を辞典に入れたい」とバージョンアップも視野に入れている。【真田悠司】



 「日本医学会医学用語辞典」(税込価格1万5120円)をウェブ版で無料公開する。例えば、「心筋梗塞」と検索すると、検索窓の下に、「下壁心筋梗塞」や「急性心筋梗塞」など「心筋梗塞」が含まれる関連用語が一覧で表示される。その中から目当ての用語をクリックすると、日本語と英語の名称が表示される仕組み。



 日英それぞれの代表的な用語の横には「★」のマークがつき、複数の表記を持つ医学用語を分かりやすく表示する工夫がされている。「日本語と英語との対応関係の詳細」も表示され、日本語と英語のそれぞれに対応する用語が一目で分かる。



 加えて、最下部では「履歴」と「要望」のタブが設けられ、「履歴」では、用語の属性や概念の変更などが、いつなされたかが分かるほか、「要望」への書き込みも可能だ。要望は同会医学用語管理委員にメールで転送され、必要に応じて管理委員が検討し修正や変更に生かすという。



 同会がウェブ版の一般公開に踏み切ったのは、紙の辞典として最終版となった「日本医学会医学用語辞典英和改訂第3版」の在庫が少なくなったためだ。翻訳家や医学生、研修医などから、「用語辞典を公開してほしい」といった要望もあり、辞典を編集した同会医学用語管理委員会が、一般公開の準備を進めていた。



 同会は、他学会の用語辞典との連携も視野に入れているという。辞典によって知的財産の権利の所在が異なるなど調整のために課題は多いが、「相互に辞典を行き来できるプラットフォームとしての役割の構築も目指したい」としている。