富士山北口登山道最寄り駅、富士急行線「富士山駅」(山梨県富士吉田市)限定で、富士山標高の1000分の1にあたる3776ミリを超える長い記念乗車券と入場券付き金剛杖(づえ)を売り出した。昨年7月に駅名「富士吉田駅」を「富士山駅」に改称した1周年記念乗車券だ。駅関係者は「日本一の富士山には日本一長い切符が似合う」と胸を張って話す。鉄道ファンが収集目的で購入して、地方鉄道の記念乗車券としては駅売りのみでは上々の売れ行きをみせている。
「富士山駅となって1周年記念で富士急行らしいものを売ろうと企画会議で、『標高日本一の富士山だから、日本一長い切符にしよう』となりました。金剛づえも富士登山にはなくてはならない必需品。『富士山駅』を焼き印で記した金剛づえをよその鉄道では売ることができない。できるのは当社だけ」。記念の乗車券と入場券販売に踏み切った鈴木淳郎(あつお)駅長は自慢げに説明する。
記念乗車券は当初、富士山の標高に合わせて3776ミリに作る計画だった。実際には3776ミリより幾分長い。「富士山-大月」駅間と「富士山-寿」駅間の片道乗車券を組み入れ、同線を走る現役車両9編成分を描いたところ、3776ミリより幾分長くなった。金額は両区間運賃合計と同じ1280円。ロール状になってケースに入っているが、伸ばした際に破れないようアパレルメーカーに依頼して洋服素材を採用した。同社が調べたところ、長い乗車券としては2年前に別の鉄道会社が280センチで販売したことがあり、3メートルを超えた乗車券はどうやら日本一となるようだ。
乗車券は800枚限定販売。通し番号が入り、7月1日から販売して1カ月で400枚を売り上げた。さて、この長い乗車券を利用して何人が電車に乗ったかというと、4人。ファンが収集目的で購入し、ストックしているようだ。ちなみに乗車券には有効期限があり、今年12月31日まで。
一方、金剛づえはロングサイズ(長さ160センチ)が1000円、ショートサイズ(28センチ)が700円。「富士山駅」と「入場券」の焼き印がされている。鈴木駅長は「運輸上の条項があって、金額、有効期間を明記しなくてはならないので、『入場券160円』のシールを貼ってお渡ししています」という。7月1日から両方合わせて100本を売ったが、ファンに160センチでは収まりが悪いようで、ショートサイズが売れ筋という。
「通販はしないのか」との問い合わせが多いという。「鉄道やバスを利用して富士山麓に観光にきていただくことが輸送会社の役目」として、日本一長い乗車券、入場券付き金剛づえとも当駅でのみの販売だ。問い合わせは富士山駅(電)0555・22・7133。
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