「ハプニング 」 | 定年後の風景

定年後の風景

定年後や病気のこといろいろ書いてます

 

2008年米国作をアマプラ468作目となります。こうして色々彷徨ってると、小作ながら本格的なSFに当たります。1年で数回でしょうか。SF作は減りました。もう新規のネタがありません。

 

プログ友さんも仰ってましたが、まだ未映画化の優れたSF原作は一杯あり、映画界がそれに気づいていないか、一般受けしにくいでしょうか。そこを行くと、十年以上前の作品でしたが、中々斬新なネタを使ってます。

 

要は植物が反乱して、人類を襲って来ます。動物全部では無く、人類だけ襲って来るようです。既に花粉症で、かなり襲って来てますが、この作品の理屈知るには、自分も最近知った、多少の事前知識が要ります。

 

植物同士が、物質を放出して、互いにかなり高度な通信してると言うことです。これはSF的アイデアでは無く、実際の解明されて来た事実のようです。これをつい最近、NHKテレビでも放送してて、これを紹介してたブログ友さんのブログでも、かなり詳細に知ることが出来ました。

 

なので、さもあらん、あり得ると、極めて納得して、自然に分るものでした。映画では、殆ど単なる理系教師一人の思いつきにしか描かれてませんが、既に既知の、かなりの事実に基づいてる恐怖を描いてましたよ。

 

まあ、物語化にはかなりな無理はありましたが、アイデアとしては相当に手堅いもので、原作あるのかや、評価が今回の関心事となります。植物に攻撃されるのは、「リトルジョー」の、研究してる花に幻惑攻撃されたり、古くは東映特撮のキノコに襲われる「マタンゴ」をすぐ思い出します。

 

この辺りも、米国か欧州辺りで、リメイクを待ってるんですけどね。最近ようやく、アマプラのリストに上がって来てますが、UNEXTか何かで未だ見れてません。米国の東部のある地域で、主に公園を中心に、原因不明に、人が連鎖的に変調を来して、次々自殺する現象に見舞われます。

 

すわ新種の毒ガスか、ウイルスのテロ攻撃かと大混乱して、人々が逃げ惑う話となります。知名俳優が出演し、しかも少人数の出演にまとめてる所がよいし、好みに合ってます。すると本作は、セールストークにもあるように、「シックス・センス」や「サイン」のM・ナイト・シャマランの監督製作脚本の本格作でおました。

 

東洋的です。まあ言えば必見作でおましたな。そうなると、若干構成が甘く、大雑把でしたかもですが。まあ名監督となってくると、評点も厳しくなって来ます。風になびく木々や、森や茂みの風情は、これは十分タルコフスキーの絵図になってますな。

 

まあ言えば、沈黙する植物の無気味でしょうか。喋る植物て無いのかな?

 

(以下ネタバレします)まあ発端のセントラルパークでの集団自殺は、横で喋ってた女性が、いきなり、先の尖ったヘアピンを、自分の首にグサーと刺し貫いたり、工事現場で職人が次々飛び降りたり、警官は銃で自分の頭を撃ち、まあ言えば、この世のものとは思えない修羅場地獄が突然出現します。

 

歩いてる大勢の人の動きが一瞬で止り、後ろ向きに歩き始めるのが、シックスセンス的に不気味です。まあ自らには、計り知れない力が働いてる東洋的恐怖ですな。西欧人はこう言うのは、すぐさま敵の攻撃と見るところが、大きな違いかも知れません。

 

まあたちまち、これはマスコミにも知れ渡り、先ずはテロ攻撃と見るのが順当で、主役夫婦は車よりは列車で、同僚父娘と共に、ニューヨークを離れます。しかし列車は、途中の駅で停められ、同僚は、奥さんを連れに別れ、幼娘さんを預かって、駅から他人の車に乗せてもらいます。

 

とにかく、ニューヨークから遠ざかるように、皆は我先に逃げます。すると途中で、軍用バンビーに乗った兵士一人とも出会い、どこへ行っても同じ状態だと言われ、このあたりで、主役は集まると危ないと気づき、出来るだけ少人数で分散して徒歩で、僻地の集落を目指します。

 

とにかく、集まると危ないと言う縛りは面白いですな。理由は分りません。植物は人数の多い集団から人類を抹殺しようとしてます。まあ効率は良いです。そしてまあ花粉兵器のようなものです。なので全て飛散する「物質」は、風に乗ってやってくるので、どこかの家に入って窓を閉め切るのが最も安全です。花粉症と同じです。

 

しかし相手は、単なる木々植物全体なので、反撃する訳にも行かず、只ひたすら集まらずに逃げます。途中二人の若者と合流して、無人ぽい一軒家のドアを叩きますが、入って来るなとショットガンで二人とも射殺されて、無理も無かろうとなります。

 

すると最後は、とある廃屋に辿り着くと、そこには不気味一人住まいの老婆が住んでおり、一夜の夕食を食べれて、しかしやっぱり朝になると、感染して変になり、窓ガラスを頭で叩き割って血だらけで死にました。既に植物に、味方協力洗脳されて、親娘3人を感染させようとしてました。

 

そしてまあしかし、主役もテレビ学者も、こう言う現象は、あるピークに達すると、突然収束すると、2回も台詞発してたとおり、現象はある日突然コロナのように収束して、3ケ月後位に、またニューヨークに戻って、主役ら家族は平穏に暮らす様子描いて映画は終わってます。

 

しかしあれだけ酷い目にあった植物を、また室内に置いてる感覚は分りませんが、二度と見たくもないだろうと思いましたけどね。まあこう言う状況の映画作りたかった状況SFで、これと言った物語や主張が無い不気味さを、描きたかったようです。

 

監督のネームバリユーもあり、それなりに怖かったですけどね。これで製作48億円で、興収163億円で、小作としては、まあまあ行ってると思いましたが、評価は良く無かったようで、主演俳優などは、自ら失敗作と言ってるとWiKiにありますね。

 

まあ成功作とは言えませんが、失敗作と言うには勿体ないSF作だったでしょうか。アイデアとしては初めてですしね。しかし映画化は難しい、状況SFにしかなり得ない気もしますが、SFファンとしては作ってくれただけて嬉しいと思いますよ。エンドロールの背景はNOPEのような雲が描かれてました。近くの木々の花が一斉に咲いたり、一斉に散ったりするのは、植物の。この通信によります。

 

 

 

 

 
下記を拝借しました。