「デスパレート・ラン」 | 定年後の風景

定年後の風景

定年後や病気のこといろいろ書いてます

 

2021年米国作をアマプラ434作目となります。ナオミ・ワッツが出てて、森の中を走り続ける、ほぼスマホオンリーの一人芝居映画となります。ナオミ・ワッツはファンなので見ます。森深い町に旦那を亡くし、母子三人で住んでおり、十代の息子が通う高校で銃撃事件があります。

 

母親のワッツは、必死で走りながら、息子やら学校やら警察やらに電話して、ハラハラする映画となります。手馴れたスマホを、イヤホンマイクを繋ぎ、次々と、または同時に、ものの見事に通話とラインを併用して掛け続け、あんな深い森の中で、繋がり続け、電池切れたのは1回でした。

 

米国は深い森の中でもスターリンクで繋がり続けるのが当り前なのか、スマホ嫌いの自分にはこちらの方が驚き痛み入ったのでおました。ナオミ・ワッツは、撮影時52才で少し小皺も増えましたが、増々その魅力は増しておます。あれだけ走り続けるのも、並大抵ではなかったと思いますよ。タフです。

 

確かキングコング辺りから、さらによく知られるようになった気もします。日本と言うか、東洋に関心はあり、名前から、日本の血筋も少し入ってるのかとも思ってましたましたが、今Wiki見る限り、それは無いようです。目元がとても東洋的なんですけどね。ワッツやスカーレット・ヨハンソンのこの系統が好きなのです。

 

(以下ネタバレします)母親のワッツが走ってるのは、これはジョギングなのか、十代の息子を家に置いて、一人森の中に走りに出掛けます。息子は思春期で、家の車で高校に行くとか行かんとかグジュグジュ言ってました。

 

暫く走ってると、何やらもう一人いる子の幼娘や知人らから、息子の通う高校で、銃撃事件が起こってるらしいと、色々電話が入って来ます。スマホでラジオも入って来ます。すると先ずは息子が、今日は高校へ行ってるのかから気になります。

 

気分的にややこしい時期だったので、息子はまさか犯人では無かろうかとか、被害者なのか、何せ殆ど本人とはスマホが繋がらないし、情報も無くて錯綜してるので、切迫して一つ一つ確認して行くのに必死となります。

 

どうやら高校まで8キロを、ワッツは走って行くつもりです。道路を走ってても、車1台通りません。パトカー2台が走り去っただけです。ワッツは、必死に次々と連絡取って行くと、どうも銃撃犯人が一人、高校に立て籠もって人質取って、警察と対峙してるようです。息子は犯人ではない代わりに、今度は命の危険に晒されてました。

 

生きてるか、怪我してないかの心配が、色んな音声通話や、息子からの断続通話や映像で伝わって来ます。とうやら犯人から逃走中のようです。ワッツは漸く迎車と言うサービスで車を呼び寄せて、高校へ向かうと、多数のパトカーが詰め寄せて、物々しい緊迫した雰囲気となってます。

 

車中で警察と連絡とれて、犯人とスマホで接触取れてる数少ない人物のワッツに、説得を頼まれ、犯人と会話すると、食堂に勤める従業員で、下げすまされて恨みで犯行したと動機を言ってます。そしてしかし、犯人はとうとう警察に確保されて、次々と人質は高校から逃れて来て、その中にはちゃんと息子も居って助かったとそう言う話でした。

 

ワッツは製作まで噛んで力入ってました。最後のタイトルバックで、これまで幾度と繰り返されて来た、学校銃撃事件の犠牲者を悼むコメントが、息子役から語られていました。本作はその主旨で作られたようでした。

 

しかしこれも現地は詳しく分らないですが、今の所大きな警備変更などは未だ無い気はします。警備員置いたりなどの強化はしてる気はします。学校内での銃器携帯を増やすとか、教師全てが銃器携帯させるとかまでは実行してない気はします。

 

米国では銃器は最終的には国と戦える根幹を成す権利と見做されてるので、今の所個人的には銃器による犯罪を特別に重罪にするしか方法は無いし、実際州単位ではそれが一番効果があった実績があると、米国在住の銃器サイトは語ってましたけどね。

 

銃器犯罪だけを特別重罪にすることにすら、何か抵抗がある米国社会は、これはもう理解を越えてると思いましたよ。まあそうしても、年間4万人ほどの銃器による死者数は減らないと思われますけどね。交通事故より多くなったそうです。この内子供だけでも5千人位銃器事故で死んでるようです。

 

因みに規制を強化すればするほど、禁止を恐れて銃器は売れ、犯罪事故とも危険は増して行きます。多分規制を緩めると、皆は禁止を心配しなくなって、銃器は売れず、世の中の銃は減って行くと思われます。この周期を米国は延々と繰り返してます。

 

大量銃撃事件が起こるほど、禁止を恐れて、さらに銃器は売れて、さらに銃撃事件や事故の危険が増して行ってます。カナダ映画のように思いましたが、やはり撮影はカナダの森でしてました。