「サイン」 | 定年後の風景

定年後の風景

定年後や病気のこといろいろ書いてます

 

2002年米国作をアマプラ412作目となります。例によって題名通り異星人襲来もので、見たかもと見始めると、確かに見た記憶がありますが、ブログには無くて、これはかなりの大昔に、テレビの大幅カット吹替え版で見たかもで、かなり印象も違うと思いましたよ。

 

まあびっくりして、昨夜は変な夢見た、極めて珍しい作品でした。なんやこれ、難物難解で、どうしたもんかと、実に久しぶりに、これなんやと頭を悩ます作品に遭遇しましたな。う~ん宗教心理ホラー映画でもあり、キリスト教の人はかなり常識的に分るのかも知れませんけどね。

 

なので、全然知らないと、そもそも本当の理解は難しいとも思いながら、普通の心理戦ホラーサイコでもあり、この範囲でも理解し味わえるような気もして、唸りながら、見たあとも次の作品も探しがてら、本作の関連作見てると、この監督はシックスナインの監督ではないかとなって来ます。

 

すると、あ、それなら分るわ、あのタッチかと、足がかり得て、今日のブログの足掛かりが出来たのでした。シックスナインも相当なものですから、あのタッチで攻め込まれると、見る方もかなりの痛手と負担食う映画でおますからね。

 

まああれも、あそこまで描くと、もう前代未聞でもおますし、本作も同レベルに近い緊張と入れ込みは強いですね。メル・ギブソンが元神父役で出ますから、どう見ても大手本格作となる訳ですわ。するとやっぱり、インド系のM・ナイト・シャマランの監督作でおましたわ。

 

顔写真見ると、本作にチョイ役でカメオ出演してましたね。やっぱりインド系でしたか。東洋アジア系は深いですわ。なので純然たるキリスト教系内容でも無いようですが、どうでしょうか。監督は敬虔なキリスト教信者なんでしょうか。

 

Wiki見ると、代表作に『シックス・センス』と『サイン』の2作が上がってましたな。知らなくてすいませんでした。よい作品見れました。若干SF的には大胆なところがあって、そこをどうみなすかが、SFファンとして難しいところでしょうか。

 

若干色々入り混じって、難解さが重層して来るのがこの監督のタッチだったでしょうか。『シックス・センス』は1999年作品でした。同時にメル・ギブソンは若く見えますが、マッドマックスやリーサルウエポンも経て、本作は割と後期の作品だったですな。渾身の熱演好演してます。

 

簡単に言うと、米国の相当の田舎町で、牧師してたメル一家が、奥さんを交通事故で亡くして、幼兄妹2人と一軒家に住んでます、そして、例によって、畑のサークルに始まって、異星人が来てるとかの、無気味噂が流れ、目撃者も出て来て、極端な殆ど家族だけの世界で、ほんまに宇宙人が来るかもの、無気味サイコ恐怖を描いた映画となります。

 

尚、メルの隣にはしっかりした実弟が住んでいて、以降はメル一家と一緒に住んで幼子らを助けます。メルは奥さんを亡くして以来、牧師を辞めてました。なので未だに町の人に牧師さんと言われるのを嫌がり、必ず元牧師と呼ぶように正してました。

 

即ちもう神は信じなくなったのでした。同時に非常に慕われた牧師でもあった訳です。

 

(以下ネタバレします)そうした沈んだ家庭の雰囲気の中で、先ずは庭で何気ない作業していると、広大なとうもろこし畑に、異様な雰囲気がして、見に行くと一夜にして巨大な例のサークルが出来てます。その時はすでにあれは二人のいたずらと自白公言が知られてたので、犯人は分かってて、確かめると二人はしてないと言ってます。

 

すると馴染みの女性保安官が様子見に来て、近所で動物が凶暴になったり、死んだりおかしくなってると注意しに来ます。すると自宅の飼い犬二匹の内の一匹が凶暴になりって幼い妹を襲ったので、近くに居た少年兄が、棒を突き刺して殺したりと、異変が起こって来ます。

 

夜中に人影がうろついたり、テレビでも異変を警告し始めます。そしてまあ皆は戦々恐々とし始めると、あんた、とうとう遂に、テレビでメキシコ上空に多数の光る大型UFOが突然出現して留まり、これはほんまや、愈々終末かと、世間は浮足立って怯えおののき、どうなるのかと集団ヒステリーになります。

 

そして、どうも人型の宇宙人が、地球を侵略に来たとか、地球人を食べるようだとの噂が広まります。保安官も警戒と注意に来ます。そしてまあ、愈々宇宙人は押し寄せて来そうだとなり、家の周りでも物音がし始めます。気のせいか、近所の人か保安官やろと思てると、ストレートにほんまにドア叩いたり屋根の上を歩いたりして来ます。

 

メルと弟は材木でドアや窓を打ちつけて地下室へ籠ります。テレビ放送はもう愈々最後かもと放送を打ち切ってます。電気は来てました。ラジオは聞いてませんでした。そして夜中に宇宙人らしきは、ドアや窓をガンガン叩いてましたが、その内諦めたのか不気味に静かになりました。

 

しかし板打ちを忘れた屋根裏からは侵入されてました。トカゲ状の足指が見えて幻覚ではありません。そして電気消して潜んで、夜が明けて朝になると静かになってて、テレビはUFOは去ったようですと放送を再開してました。

 

なので注意深く皆は地下室から上がって来ると、なんと細身長身グレイ色の宇宙人が1匹残ってて、子供の息子を捕えて連れ去ろうとします。すかさずメルは息子を奪い取り、弟に「今だ打て」と合図すると、弟は咄嗟に壁のバットを手に取り、少年の頃得意だったバッターのパワーで、バットが折れるまで宇宙人をシバキ打って倒したのでした。

 

その際コップの水を被ると、噂通り宇宙人は火傷追って苦しんだので、皆で部屋の水を掛け倒して宇宙人を焼き殺したのでした。聖水だったでしょうか。ウエルズの宇宙戦争に似てます。とまあ下界とはテレビだけの繋がりで、外部の宇宙戦争は一切なく、徹底して田舎の閉鎖社会と、家族の中だけの子供家族関係の心理戦だけに徹した描写だけで貫いた稀有な侵略ものだったでしょうか。

 

しかし段々洗脳されて行く子供らの、大人の弟まで、考え読まれるからと、アルミの三角帽被り、変になって行く描写と、それを見て戦うメルの逼迫切迫迫力の演技は半端ない秀作だと思いましたよ。なのでアカデミー監督賞と作品賞にノミネートまで行きました。

 

ただしSF的要素は、これまで描き尽くされた内容でもあるため、かなり間引いて見る必要はあり、全てを完璧とまでは行かなかったでしょうか。そしてここには、奥さんの無念の悲劇の死と言う一面もからんでいるところが優れてました。

 

この監督は、こうして際どい作風で行ってますから、これまでラズ賞取った失敗作もあるようです。それとシックスセンスもそうでしたが、子役に敏感で、本作の、特に幼娘さんはとんでもない可愛さと思いましたよ。本作の2割位は、この子役さんの魅力でもってます。今はもう二十歳代になってて活躍されてるようでした。