８月にはずみで、戦闘場面だけ動画見てブログ書いた本作が、ＢＳ放送されたので、前半も含め、全編じっくり観ました。全体としては、よくまとまとって、よい作品に仕上がってると思いました。少し荒削りですが、良作だと思います。前半、兵役につく前の、美しい片田舎の長閑な、生活が何とも良いです。
献血に行って、奥さんとなる看護師さんと出会って、一目惚れし、出征直前に、結婚するのが良いです。見てる観客も一目惚れしそうな、ほんとに美しい女優さんでした。それで、前半のかなめは、主人公の不戦主義を描いています。いわゆる、良心的兵役拒否者となりますが、訓練は受けます。
こういうのは、この時代からあったんですね。実際は、社会で生きていけないでしょうが。まあ、あれだけの戦争してても、米国はあくまで志願制だったですね。志願兵で、兵役拒否者とは、どういうことなのか、解りにくいです。それで、主人公は、宗教上の理由で、銃を持ちたないと言ってます。
キリスト教の汝、殺すなかれ、の教条のようです。周り中皆、キリスト教ですが、上官は、戦争は殺人では無いと言います。射撃訓練で、皆が順に、立て掛けたライフルを手に取っていきますが、順番が来ても主人公は一人だけ、頑として、ライフルを手に取りません。
訓練だけして、戦場で撃たなければよいのにと、思ってしまいます。さて、ここら辺りから、メル・ギブソン好みのタッチなってきます。メルが何故この作品を選んだか、解ってきます。メルの真骨頂となってきます。訓練拒否は命令違反となり、教官から、除隊せーやと、言われますが、それすら拒否します。どないしたいねん、の世界になります。
そのくせ、訓練は優秀で、手に負えません。そして、案の定、軍法会議送りとなります。ここまでの、やりとり聞いてると、もう、狂ってます。キレてます。ちょとぐらいええやろ、と見てる方は思いますが、絶対譲りません。これぞ、メルの世界です。こういうの好きですねぇ。人格出てるんですかねぇ。自身の生い立ちも関係してるのか。
営倉に入れられたおかげで、結婚式にも出られませんでした。しかし、こういう狂気、観客には見せますね。ちょっと、ライフル手に取って撃てば、命令違反には、ならず、結婚式にも出られます。それでも、銃を持ちません。銃撃って、結婚式に出たれや、と観客はやきもきします。
しかし、結婚相手は、どこまでも、彼を理解していて、営倉まで訪ねてきて、それでいいのよ、と言ってくれます。優しいー！！そして、どうなるか、というと、１次大戦に従軍してて退役した、父親が、息子の上官を訪ねて、嘆願の手紙を書いてもらい、それを軍法会議に提出し、主人公は罪を免れたのでした。
そして、いよいよ、以前書いた、戦場の場面で、衛生兵として、抜群の働きをして、銃を撃たない分、果敢に大勢を助け、勇者として、尊敬されることになります。そして、戦場で、一番のかたき役の戦友に、実は、父親が１次大戦で戦友３人を亡くしてＰＴＳＤになり、酒浸りで、母親に暴力をふるい続け、ある時、ついに、母親に拳銃を向けたので、主人公は、その銃を奪って、まさに父親を撃ち殺す寸前まで行ったのです。
主人公は、これがトラウマとなり、以降絶対に、銃を手にしないと誓ったのです。個人的な理由でした。う～ん、極めて個人的な理由でしたか。これで、戦争に通用する理由になるのかどうか、疑問も残りますが、これが、メルの世界でもありますね。理屈無いのです。決めたら決めた、これだけというのが、また良いかもです。
父親が上官に書いてもらった手紙とは、自分のせいだという、このことが書いてあったのですね。それで、後半の戦闘場面を改めて見ると、これはこれで、前半からの流れからバランスはとれてる感じでした。残虐ですが、仕方ないでしょう。実際にスタントマンの間近での爆発を多用するなどの工夫が効果出てます。
日本兵が真昼間に大人数で、指揮官なしに攻めてくる不自然さありますが、これが、夜襲だけだと、作品として重すぎだったでしょうね。尚、実在の主人公は名誉勲章を授与され、奥さんと末永く暮らし８７歳で死去したと、映画の最後で語られます。本人を含む、実際の関係者のインタビューも出てきます。
「ハクソー・リッジ」動画
https://ameblo.jp/masa20012010/entry-12397339594.html
（追記）
一目惚れした美人看護師さんはテリーサ・パーマーという今を時めく女優さんらしいです。２０１７年で３本の主役作品に出ている新進気鋭とのことで楽しみです。それと、志願兵で兵役拒否とは、射撃とかの部分的な兵役拒否らしいです。時間が経ち、これを書いてあった優れたサイトをお気に入りから消してしまい解らなくなりました。