「汝の慈愛によりて我らを死なしめたまえ:Rummel版とCohen版」
バッハの超マニアックな話。
若い頃から聴き続けているバッハ音楽であるが、
非常に大きなきっかけとなったのは、
当時友人が付き合っていたイギリス人のお嬢様だった。
18歳くらいの頃は、
何だかんだ言ってベートーヴェンやモーツァルトに凝っていた。
高校時代、ブルックナーがいいと言ってたヤツもいたが、
明らかに見栄だったと思う。(笑)
それはともかく、イギリス人女性。
それまで私が知っていた日本人の女子中学生や女子高校生とは全く違っていて、
腰を抜かさんばかりに驚いた。
全く同じ年齢には見えず、
非常に落ち着いた、超知的な雰囲気を醸し出し、
言う事もいちいちカッコいいし、
やる事はもっとカッコ良かった。
何この女性、全然違うと思い知らされた。
そもそも目が青くて髪は金色だし。(笑)
その時、色々と教わり、今の私が信じられないほど、
女性に優しく振る舞う紳士なのは、
この時の体験からだ。(爆)
さて、私がモーツァルトの確かピアノ協奏曲第20番だか21番を聴いていたら、
彼女は非常に不思議そうな顔をして、
こう聴いて来た。
「モーツァルト・・・非常に素敵なんですけどね。
何故貴方はバッハを聴かないのかしら?
バッハはヨーロッパ人の心の故郷なのよ。
これなんか如何?」と。
そこで聴かされたのが、
バッハの教会カンタータ第22番第5曲、
「汝の慈愛によりて我らを死なしめたまえ」
だったのである。
ただし原曲の教会カンタータではなく、
Harriet Cohenによるピアノ編曲バージョンで、
演奏はアリシア・デ・ラローチャによるものだった。
物凄い衝撃を受けたのを鮮明に覚えている。
当時は非YouTube時代であり、
ようやくレコードからCDに切り替わりつつある、
今とは全く違う音楽環境だった。
BWV22はそう簡単に聴けるような時代ではなく、
その10数年くらい先にようやくバッハ全集が発売された、
音楽原始時代と言ってもいいくらいだったのである。
そんな訳で私が原曲の教会カンタータをフルで聴くようになったのは、
平成時代の中頃くらいだったように思う。
不思議な事にこの曲は原曲で聴いてもパッとしない。
Cohenのピアノ編曲版が凄くいい。
バロック時代の古楽器を使う、
調律もA=415Hzを私的に好んでいるのだが、
この曲に限ってはモダンのA=440Hzのピアノがいい。
だが、Cohenの編曲は、実はそのちょっと前の、
Walter Rummelによるものがある。
完全に独立した編曲らしいのだが、
録音版は非常にややこしい状態になっている。
何とCohen自身が演奏するRummel版と、
Cohen自身が演奏するCohen版、
Rummel自身が演奏するRummel版まである。
ともかくややこしい。(笑)
個人的にはやはり18歳の時に聴かされた、
ラローチャ演奏によるCohen版を最も好んでいる。
バッハ作品は意外にもジャズなど、
様々な種類の音楽に編曲されている。
私的には古調律による古楽器演奏を好んでいるが、
モダンもたまには凄くいいと思う。
↓Cohenが演奏するRummel版↓
https://youtu.be/2wSrm-0vdZI?si=TFQOXSUP0s03Y6Bh
↓ラローチャが演奏するCohen版↓
https://youtu.be/xe5e70bRu1I?si=UxcsufEG2NyCSM0U
↓Walter Rummel演奏によるRummel版(5:55より)↓
