「富士登山における高山病の影響とは:迂闊な動きは出来なくなる、そして」
富士登山における高山病とは一体どんな感じなのか???
2年前に初めて吉田ルートから挑戦した時、
最も恐く感じていたのが高山病でした。
実際に体験してみるとやはり非常に厄介な問題であるのが分かりました。
先ずは高山病は個人差が非常に大きいものなのが分かりますが、
1つ確実に言えるのは「どんなアスリートであろうが低地と同じ動きは全く出来ない」
と言う冷徹な現実があります。
100mを9秒台で走れたり、フルマラソンを2時間台で走れる人が、
富士山頂上どころか3000mくらいの地点でも同じタイムなど出せるはずがありません。
そもそもそんな事にチャレンジしたら倒れます。
実際にあった話だそうですが、
(何かの本で読んだ。出典は忘れてます。失礼)
ある若い男子大学生が彼女と富士山頂上に来たそうです。
そこまでは良かったのですが、
この彼氏、彼女にカッコいいところを見せたかったのでしょう。
頂上で全力疾走をしたそうです。
どうなったのか?と言いますと。
何と数十mくらい走ったところで「泡を吹いて倒れた」そうです。
結局山岳救助隊のお世話になったそうです。
下山どころの騒ぎではなくなったと言います。
つまり遭難扱い。(苦笑)
そもそも高山病に弱いタイプの人は、
吉田ルートの五合目(標高2305m)で既に頭痛がします。
さらに富士宮ルートではそもそも登り始めの標高が2400mと高いので、
非常に高山病に罹り易く、
若い男性など体力を過信している人が一気に登り始めて、
3000mどころか新七合目の手前2700mくらいで、
道端にうずくまって酸素缶を吸っているのを私は目撃しています。
ちなみに2400mと言う富士宮ルート「五合目」の標高は、
日本アルプスの最高峰群3000m級の山々の縦走ルートくらいは軽くあります。
高山病の症状は頭痛、疲労、食欲不振、吐き気、嘔吐、怒りっぽさ、息切れ、
錯乱、昏睡、肺水腫、脳浮腫などがあり、
酷い場合は死に至ります。
ではどんな感じなのか?と言いますと。
私の場合は、最初は分かりませんでした。
しかし吉田ルートの場合だと八合目の手前辺りの3000mくらいの標高地点で、
明らかにもう普通とは違っているのが分かりました。
それは、帽子に装着していたヘッドライトを落としてしまった時に感じました。
2mくらい下に落ちたので拾うために少し下りて屈んで立ち上がっただけなのですが、
しばらくの間、息切れが止まらないのであります。
そんな僅かな異なった動作だけでそうなるのに非常に驚きました。
これはヤバい所に来たなと思ったのを鮮明に覚えております。
もちろん呼吸法は「フーーーーーッハッ」と言う、
吐き切る方に重点を置いた基本をずっとしていましたが、
さすがに3000mを超えて来ると非常に顕著に症状が出て来ました。
さらに八合目から九合目までの吉田ルート特有の砂と砂利の中間みたいなジグザク道を登っている時、
低い階段になっているのですが、
私はそこで足を大きく上げる事が恐くて出来なくなりまして、
階段の高さが最も低い場所を探しながら、
出来るだけ少なく足を上げるのに集中していたほどです。
このリズムを崩さないでゆっくりゆっくりと登っていました。
こんなペースではもしかして永久に頂上に着かないのでは?と思っておりましたら、
休憩を含めて八合目からは4時間で登頂出来ましたので、
あながち悪いタイムではありませんでした。
ちなみに九合目で登場する最後の難関の急登と言う名の崖では、
周囲で口を利いている人は山岳パトロールの人を除いて皆無でした。(笑)
素早い動作は3000mを超えて来たらもう私の場合は出来なかったです。
非常に危ない感じがしていました。
そうして高所分類で言うところの「高高所(3500m超)」に突入すると、
異次元の世界になってました。
何か風景が神がかって来ると言いましょうか。
有名な登山YouTuberの麻莉亜さんは「神の領域」と表現していましたが、
まさしくそんな感じです。
神社がありますし。(笑)
ともかく物凄く苦しいのですが・・・・・
達成感もハンパないため非常に好んでいる世界でもあります。
富士登山シーズンが近づいて来ますと、
今年が出来るのか出来ないのかに関わらず、
テンションが上がって来ます。(笑)