「アルコールハラスメントについて」
※酒飲みが持っている特有の恐ろしい考えまで掘り下げて行きます。
かなり手厳しいかと。
日本特有のお酒の習慣に「酌」があります。
アルコールハラスメントとはこの習慣から端を発していると言えなくもないでしょう。
「まあまあ一杯どうぞ」と言って酒を注いで来るアレです。
もう少し広げて考えると、
体験的にこの習慣は東アジア圏特有とも言えます。
分かり易く言うと「他人の酒量をやたらと気にして飲ませたがる行為」です。
昭和時代の酒の習慣は色々と悲惨でした。
令和女子は激怒すると思いますが、
そもそも昭和時代の飲み会の席では、
女性は上司などの男性陣に酌をしないと気の利かない女扱いされてました。
男は男で一気飲みなどが大流行し、
死者が続出してました。
(↑令和人はそんな嘘を書くなと怒るでしょう。しかし本当なんです、これがまた)
今から思うと昭和時代はメチャクチャだったと言えます。
健康を破壊しまくり死に近付くのを偉いと思っていた、とも言えます。
他に娯楽がなかったからとも言えますが、
大人の男がやる事は、酒、タバコ、女遊び、賭け事で、
そう言うのを徹底的にやれるのが遊び人で偉いヤツみたいな風潮さえありました。
この感覚は今でも少しながら、
男の間ではまだまだあると思います。
だからこそ「アルハラ」なる名称でいわゆるアルコールハラスメントなどの様々な嫌がらせ行為が大問題にされている訳です。
さて、私は物心がついた頃から、
酒好きだった父からずっとアルコールハラスメントを受け続けて来たので、
酒については非常に複雑な思いを持っています。
ただし酒乱で殴られたとかは幸いなかったので、
お酒を飲むとはどう言う行為なのか?について、
かなり昔から考えさせられて来ました。
また、幸い私は20代の頃にイギリスに少しだけ滞在出来て、
ヨーロッパ社会のお酒の飲み方について触れる事が出来たので、
さらに色々と考えさせられる事態になっていました。
ちなみに何度も書いておりますが、
大切な事なので繰り返し都度書きます。
・日本人は世界の民族的に見ると最もアルコールに弱い体質を遺伝的に持っている。
・日本人の約40%はアルコール分解酵素2つのうち1つが不活性型。
いわゆる酒に弱いタイプ。
飲むと顔が赤くなるのがその典型。
・日本人の約4%はアルコール分解酵素2つ全部が不活性型。
全く飲めないタイプ。
このタイプは少量のアルコールでも飲むと本当に死ぬ危険があるため要注意。
・欧米の白人は遺伝的にほぼ100%アルコール分解酵素2つ持ち。
つまり物凄く酒に強い。
身体もデカいため日本人とは比較にならないくらい強い。
・あくまでも自分の体験と本で読んだ知識のみで判断すると、
驚くべき事にヨーロッパ社会では「オレの酒が飲めないのか」的な、
いわゆるアルハラは存在していない。
飲みに誘われても「まあ、どうぞ」みたいな酌は一切ないと思っていい。
日本の飲み会と違って非常に安心して飲める。
(体験的な対象国はイギリス、ドイツ、フランス、イタリアのみ)
上記の基本を押さえると、
アルコールハラスメントとは一体何故日本で特徴的なのかが見えて来る。
「日本人の約半数は酒に弱いか飲めない体質」
これが非常に大きい。
約半数なのである。
この比率は物凄く巨大だ。
つまり酒飲みが何気なくしている行為の「一杯どうですか?」は、
約半数の人にとっては「迷惑行為」なのである。
当たり前だ。
酒を飲んだら直ぐにカーッと赤くなり、
酷い思いをするか、全く飲めなくて飲んだら最後、
死の危険に晒される人が合計すると約半数。
酒を勧める方が本来どうかしている。
分解酵素2つ持ちがほぼ100%のヨーロッパ人が絶対に勧めず、
世界で最も酒に弱い日本民族の間で「酌」の習慣が全く改められないこの皮肉。
と言うよりも酒に弱いからこそ出来た習慣なのかも知れない。
そもそも男性の場合、付き合いにおいては上下関係をやたらと気にする。
特に日本人男性は上司と部下だけでなく、
取引先や先輩後輩の関係などを生涯引きずり振り回されると言っていい。
知らない者同士が会った時、
どちらが上なのか、様々な尺度で探り合う。
会社の大小、会社の関係性、社内における人事、役職、年収、学歴、入社年度、
仕事の出来不出来、容姿、性別、特技、スポーツ、趣味等々、
それはそれは色々あり、この中で序列を気にする訳だ。
まあこの感覚は人間ならば多少の差はあれ、
誰でも持っているが、かなり度を超えている者は多い。
そんな中で意外に強い力を持っているのが酒の世界だ。
日本人にとって仕事が終わった後に酒を飲むのは、
本音を探り合う良い機会になっていた。
酒を飲むと理性が飛び、思わぬ本音を言う。
そうして腹を割って話をして心を通わせるのが昭和の王道だった訳だ。(笑)
だが逆に言うと、酒が飲めない者は腹を割って話せないヤツになってしまう。
こう言う時、酒飲みは何を思うのかと言うと。
実は酒大好きだった父は、
自宅で私を前にすると盛んにこう言い放っていた。
「ああ、アイツは酒が飲めないヤツだから。」と吐き捨てるように。
どんなに良い人でも酒が飲めないとか酒嫌いなのが分かった途端に、
「ダメなヤツ」のレッテルを貼っていた。
「あんな酒も飲めないようなヤツと付き合うな!!」とまで年がら年中言っていた。
ちなみに父だけでなく親戚にもいたし、
もっと言うと、そう言う社会だった、とも思う。
今、日本の若者は酒を飲まなくなっているらしい。
まともに考えたら、今までの方がおかしい。
酒に弱い人が人口の約半数を占めながらも強制される「酌」。
こんな習慣は即刻捨てた方がいい。
酷い迷惑を受ける者が人口の約半数いるのに強行されるのは異常だ。
その点、イギリスのパブは良かった。
何でこんなに居心地がいいのか?と思ってよくよく考えると、
誰も他人の酒量など気にしていない点にあった。
飲みたければ飲めばいいし、
飲みたくなければ飲まなければいい。
何故、他人がそこに介入してくるのか?
飲み食いに他人が介入して来ると、
大変な不快をもたらす。
当たり前だ。
もう腹がいっぱいなのに、
もう充分飲んだのに、
何でさらに食わせられ、
飲まされるのか?
昔の芸能人の団体の話では、
いや、現在の人気グループの飲み会の話であっても、
大量の酒と食い物が用意されて、
潰れるまで飲み食いする様子を面白おかしくテレビで語られる場面がある。
先輩にやたらとひれ伏して、
倒れるまで飲まされるのがそれほど楽しいのか?
20代のほとんどをイギリスで過ごした私の妹は言う。
「オマエら日本人の男ってのはよ。
マゾなんだよ。
イジメられて喜ぶ変態野郎なんだよ。
先輩後輩とか上司と部下とか男同士でつるんで、
弱い酒を浴びるように飲まされるマゾの大集団。
自分が変態だって全く分かっていない。」
と非常に手厳しい。
私はその昔、イギリス人やドイツ人と飲んでいると、
とても楽しいと思っていた。
特にパブの雰囲気は素晴らしく良い思い出がある。
最悪な酒の思い出は日本での昔の合コン。
男も女も酷かった。
次から次へと酒を注ぐ習慣、酌。
コイツら鬱陶しいとずっと思っていた。
今でも鬱陶しい。
幸いもう酒を飲む習慣は今は無い。
仮に飲むならパブみたいな場所で、
イギリス的に飲みたい。
1パイントのビールをチビリチビリと、
自分勝手に飲む喜び。
これこそが本来の酒の楽しみの王道だと思う。
他ならぬ自分の飲み食いに他人が介入して来る東アジア圏の飲食を私は昔から極端に嫌っている。
何でこうも他人の酒量を気にする連中が多いのか。
今はソーバーキュリアスを実行しているが、
必ずしも全面禁酒をしている訳ではない。
しかしもし酒を飲むとしても、
他人から酒量を気にされるような席にはもう行かないのだけは確かなところだ。