バウアー投手の炎上問題はカルロス・ゴーン氏の事件をきちんと認識して考えるべき | 東京・横浜物語

東京・横浜物語

東京・西麻布に生まれ育ち、現在は横浜に居住する筆者が、
東京の山の手地区の昔話や東京・横浜の生活などについて語って行くブログです。

ダイエット、筋トレ、ランニング、登山、クラシック音楽、美術館・博物館巡り、能、歌舞伎、落語などの古典関連の記事が多いです。

「バウアー投手の炎上問題はカルロス・ゴーン氏の事件をきちんと認識して考えるべき」

 

最近のテレビでもネットでもやたらと日本を礼賛する番組が多いです。

 

そんなのばっかり見ていると世界中の人々は日本に注目し、

ちやほやしているのだと勘違いしてしまいます。

 

もちろん一面では正しいけれど、一面では疑う心を持って、

間違っているのでは?と思っておかないと危険です。

 

耳に心地がいい事ばかり受け入れて、耳障りな事は排除していると、

とんでもない目に遭ってしまうから要注意だとかねがね思っています。

 

さて以前、カルロス・ゴーン氏が逮捕されて検察での取り調べが進んでいる時、

一気に海外に逃亡して大問題になりました。

 

日本のマスコミはこの時、

逃亡方法について面白おかしく書き立てるだけで、

カルロス・ゴーン氏の発言について取り上げる事はほとんどありませんでした。

 

この時、私はこれは非常に厄介な問題になり、

日本の司法そのものの信頼を国際的に失わせる事態になる、と言う意味の事を書きました。

 

結果的にその後、日本のマスコミは何をしたのか?と言いますと、

ゴーンけしからんだけで終始し、

後はお得意のダンマリを決め込み、

最初は面白がっていた私達日本人ですが、

今はもうすっかり飽きてしまい、誰も話題にしていません。

 

けれどもゴーン氏はその後も映画を作ったりして、

何故逃亡したのか?日本の「司法」の何が問題なのか?について主張を続けていたようです。

 

日産自動車と言う世界的な企業のトップですから、

日本国内だけでなく世界中の人が注目していた事件です。

 

ここで非常に厄介な事は、カルロス・ゴーン氏の主張は終始一貫していた事にあります。

 

彼の主張の根幹は「日本は人質司法をしている国だ。信用ならん」と言うものです。

 

だから「こんな国で裁判なんかしたら酷い目に遭わされる。悪質な正義のない制度を持った国だ」

と言い換える事も可能な主張なのであります。

 

これは実は日本国が国連から再三指摘されている司法制度の仕組みと言うか悪しき慣習です。

 

人質司法とは、一旦逮捕したら拘留期限を次から次へと延長し、

絶対に外に出さない事を言います。

 

被疑者の場合は原則10日で最大23日間しか拘束出来ません。

 

しかし日本国ではもっと拘束されるケースはザラにあります。

 

何故かと言うと別の罪状を次から次へと出して来て延長するからです。

 

また被疑者ではなく被告人では原則2ヶ月間勾留出来ますが、

ゴーン氏のケースでもやたらと延ばしていてゴーン氏はこの司法制度はおかしいと主張していた訳です。

 

念のため何が問題なのか?と言いますと、

日本国でもようやく大問題になっている痴漢冤罪で考えると分かり易いです。

 

痴漢の容疑で逮捕された場合、前述のように最大で23日拘束されてしまいます。

 

普通に職業を持っている人が拘束された場合、

当然明らかになったら職を失います。

 

もちろん本当の犯人ならいいのですが、

混雑した電車内の場合、誤認や、酷い場合は被害者が実は犯罪者で、

最初から人質司法を利用したハメるための犯罪をしている場合もあります。

(実際にそう言う事件があった)

 

つまり無実であっても23日間も拘束されたら、

全てを失いますから、

警察の仕掛けて来る囁き、

「これを認めたら外に出られる」

を、やっていなくても認めてしまう、と。

 

このようなやり方は冤罪を多く生み出してしまうのですが、

改めようとは全くしていない現実があります。

 

ここを考えた日本のマスコミは私が知る限りありませんでした。

 

この事件はその後の我が国の信頼を非常に大きく失墜させるだろうと強く感じていましたが、

そもそも日本のマスコミはもう全く取り上げなくなっていたのですから、

私も残念ながら忘れ去っていました。

 

しかし今回のバウアー投手炎上を知った時、

真っ先に思ったのはカルロス・ゴーン事件問題がこう言う形で現れて来た?と言う推測です。

 

そもそも今回の事件をマスコミ発表通り書くと、

非常に危険な問題になります。

 

「在日米軍の軍人が運転する自動車が飲食店に突っ込み、日本人2名が死亡、1人がケガをした大事故を起こした」

と言う死亡事故です。

 

日本での裁判により禁固3年の実刑判決が言い渡されて服役していましたが、

アメリカ連邦議会の一部議員が不当な拘束だとして、

米国への移送を働きかけて、2023年12月に米国に移送、

その後、何と2024年1月12日に仮釈放されたと言うものです。

 

この軍人がバウアー投手と知り合いだったらしく、

「Welcome home」などとSNSに書き込んで大炎上した、と。

 

ここで注目すべきはバウアー投手の発言です。

 

今は謝罪し、発言を消したようですが、

非常に大切なのは、バウアー投手の代理人のレイチェルさんが、

「アメリカでは、彼が不当な理由で投獄されたと報じられています。

 中略~日本での報道とアメリカでの報道では明らかに違う。」

と述べている点にあります。

 

以前から在日米軍の軍人が日本国内で起こした犯罪は、

場合によると日本の警察が取り調べ出来ないケースが相次ぎ、

日本国民の怒りが爆発する寸前まで行っていた問題です。

 

日米安全保障条約なんか破棄しろ、と言うくらいの勢いが特に沖縄を中心にありました。

 

以前は、

アメリカ軍人の日本での犯罪→傲慢な連中→犯罪を起こしても逃げる→日米安保なんか破棄しろ

と言う図式すらありました。

 

おそらく今でもあるのかとは思いますが、

それでも大問題にされた事もあり、

このところは日本の司法で裁く事も可視化されてまあまあ落ち着いていた感があります。

 

しかしカルロス・ゴーン事件は日本のマスコミがダンマリを決め込んでしまい、

全く日本国民に知らされないまま、

少なくとも先進諸国では深く潜行し、

日本の司法制度への不信感が浸透したと思われます。

 

この悲惨な交通事故の真相がどうだったのかは分かりません。

 

日本側では決着したと思われていましたが、

残念ながらアメリカ側はそうは思っていなかったとなります。

 

仮釈放までされてしまった現実をどう思うべきなのか???

 

これを日米安全保障「不平等」条約の結果だから、

アメリカ軍なんか駐留させているから悪いと思うべきなのでしょうか???

 

何故、アメリカの一部議員が動いて移送させたのでしょうか???

 

将校だから何としても助けたかった???

 

日本人を何人殺しても構わないと思っていた人種差別???

 

私達日本人は前述したように、

アメリカ軍人は傲慢→犯罪をやりたい放題→日本で裁判にならない→なっても後日無罪放免→

こんな条約は破棄しろ→もっと中国と仲良くすれば何の問題も起きない

と言う方向に行ってしまいます。

 

しかしここはカルロス・ゴーン事件をしっかりと考え直す必要があるかと思います。

 

一部議員はどのような主張をして移送させるように働きかけたのか???

 

何故アメリカに戻って来たら、日本側の反発も恐れずに1ヶ月程度で仮釈放したのか???

 

バウアーけしからん、レイチェルけしからん、アメリカの議員けしからん、

アメリカ軍けしからん、人種差別けしからん・・・・・

 

こう言う思考回路で果たして解決出来る問題なのかどうか。

 

私はともかくカルロス・ゴーン氏が当時から投げかけていた「人質司法」問題。

 

ここを突かれて来た場合、日本の司法制度は簡単に吹き飛んでしまう危険があります。

 

事実、今回は日本の司法が完全に無視されたのであります。

 

どうしてこうなってしまったのか???

 

一投手の発言に怒っているだけでは済まず、

小さな問題ではないと私は思っております。

 

アメリカだけではなく、他の先進諸国が日本のこの司法制度に何を思っているのか???

 

そこを考えて行く必要が強くあると思っています。

 

終わり