トレッキングポールの思い出 | 東京・横浜物語

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西麻布に生まれ育ち、現在は横浜に居住する筆者が、
色々語って行くブログです。

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「トレッキングポールの思い出」

 

あれは娘がまだ小学生の頃だったと思う。

 

東北地方に暮らす北アルプスなどもガンガン登っていた登山好きの従姉から電話があった。

 

「箱根の金時山に登りたいけれど、

 アプローチが難しいので一緒に登ってくれないか?」

と言う依頼だった。

 

最初の私の返事は明快でこう言う風に述べて断った。

 

「残念だけど出来ません。

 今から何年か前、丹沢表尾根縦走をした時、

 下山のバカ尾根で完全に膝を打ち砕かれてしまい激痛が走ってしまった。

 あれからもう大分経過しているけれど、

 今でも駅の階段を下りる程度で鈍痛がするようになっている。

 もう登山は無理なんです。」と。

 

すると従姉はこんな事を言い出した。

 

「バカ尾根で膝をヤッた、と。まあ膝の痛みは登山ではよくある話。

 今はトレッキングポールと言う優れ物があるから、

 それさえ用意したら絶対に登れるよ!!」

と太鼓判を押して来たのである。

 

結果的にアップした写真のLEKIのトレッキングポール(当時はダブルストックとも言われていた)を購入した。


要するに2本の杖だ。

 

箱根の金時山は小学校の林間学校で登った時、

地獄を見た山だったので、

正直どうなのかな?と思っていたが、

私も娘もトレッキングポールのお陰で特に酷い思いをする事なく登山を終えられた。

 

その後、登山に復帰したのかと言うとさにあらず。

 

娘の中学受験が終わった後は、

それまでのアウトドア中心から美術館・博物館巡りと言う芸術中心の余暇へと大きくシフトしてしまい、

私はそれからずっとアウトドアとはほぼ無縁になり、

食べて飲む不摂生な生活を送るようになった。


そうして3年半前に倒れ、末期ガンの疑いまでかけられた経緯がある。

 

ガンをかわせた後もベテランの医師が初めて見たと言う血液検査の全項目アウトの異常値により、

医療ダイエットとそれに続く筋トレの指示があり今に至っている。

 

その過程でトレーニングが上手く機能してくれ、

もしや20代後半にやっていたマラソンと共に登山にも復帰出来るのではないかと思い、

トレーニングを続けながらやってみた。

 

以前購入したLEKIのトレッキングポールを再び取り出して、

復帰したマラソンの時にするサポーターもして、

登山の世界に戻ってみたのである。

 

するとトレーニングの成果も間違いなくあると思うが、

膝サポーターとトレッキングポールの相乗効果により、

膝に痛みは走らなかったし、腰への負担も大幅に軽減してくれ、

これなら出来るぞ、といよいよ富士山に一昨年初めて挑戦したのである。

 

さらに昨年は同じ富士山でもより険しい直登コースである富士宮ルートにも挑戦してみた。

 

昨年初めからはトレーニング内容をガラリと変えて、

chocoZAPに通い始めて特に上半身の筋肉強化をしていた。

 

強烈な富士宮ルートの急登に対抗するため、

トレッキングポールを駆使して足への負担を大幅に軽減するためだった。

 

また、一昨年の吉田ルート挑戦時の私のランニング能力は35kmだった。

 

しかし昨年の富士宮ルート挑戦時は42.195kmのフルマラソンを2回達成していた。

 

正直に言うと楽勝でクリア出来ると思い込んでいた。

 

だが想像を遥かに超える厳しい登りだった富士宮ルート。

 

吉田ルートとは違って、六合目を越えるとずっと急登が最後まで続く。

 

私の足は何と元祖七合目の山小屋の前に着いた時、

痙攣寸前になっていた。

 

こんな所で足が攣ったら最後、

それこそ救助要請と言う遭難騒ぎになってしまう。

 

即座に足攣りの特効薬「芍薬甘草湯」を飲んだところ、

見事に収まってくれた。

 

しかしその日の宿である八合目までは富士宮ルートで最も厳しい箇所だ。

 

もう足に負担は掛けられない。

 

そこでトレッキングポールへの負担を大幅に増やし、

逆に足への負担を減らしたのである。

 

つまり腕力で登ってみせる、と。(笑)

 

chocoZAPでの上半身強化トレーニングが思い切り功を奏してくれた。

 

何とか八合目まで登り、しっかり寝て再び登頂出来たのである。

 

トレッキングポールは今や現代登山における必需品になっていると思う。

 

特に中高年以上の登山愛好家は絶対に携行し、

最初から投入していた方が無難だと思っている。

 

それほど登山シーンが劇的に変わるグッズであるかと。

 

終わり