TVアニメ「青のオーケストラ」 | 東京・横浜物語

東京・横浜物語

西麻布に生まれ育ち、現在は横浜に居住する筆者が、
色々語って行くブログです。

#ダイエット#筋トレ#ランニング#登山#富士登山#クラシック音楽#美術館#能#マラソン#ジム#横浜#東京#バッハ#アート#フィットネス#山登り#トレッキング#クライミング#ボルダリング

TVアニメ「青のオーケストラ」

ブログ友達から勧められて、
何か気になったのでこのお正月休みはインフルエンザに悩まされて何も出来なかったのもあり、
思い切って観た。

現在は第一部のみで、第二部の公開は決定しているらしい。

第一部は全24話。

この作品は余り人気が無いらしい。

しかし観た人の評価は素晴らしく高く、
もっともっと人気が出ていい作品と言う感想が多いそうだ。

私は普段はアニメもドラマも先ず観ないのだが、
以前アニメ好きの友人に勧められて、
「ばくおん!!」「スーパーカブ」「ゆるキャン△」などを観て、最近のアニメの凄さに驚いた経験がある。

全て細部に渡り凝りに凝った内容になっていた。

昔からのバイク好きやキャンプ好きも唸ってしまうほど完成度が高く面白い。

そうして「青のオーケストラ」。

もしかして幼い頃からのクラシック音楽好きの私でも充分楽しめるのか?と期待して観た。

これは想像を遥かに超えて面白かった。

そもそもストーリー展開がかなり異質だ。

クラシック音楽のマンガやドラマ作品は、
世界的なコンクールに入賞して華々しく活躍するストーリーが主なものだと思う。

大人気作品「のだめカンタービレ」はその典型だ。

主人公のだめはピアニストとして活躍し、
相手役の男は世界的な指揮者になるべく奮闘する。

だが「青のオーケストラ」は出だしからして逆転している。

幼い頃からヴァイオリンコンクールを総なめしていた天才少年が家庭的な問題で辞めてしまい、
再び高校のオーケストラ部に入って活躍する話となる。

第一部を通じてコンクールに参加するような派手な展開は一切ない。

主人公「青野一」のライバルとなる「佐伯直」は、
音楽ドラマにありがちなバッチバチな才能と才能、性格と性格のド派手なぶつかり合いもない。

むしろライバルの方が穏やかな性格をしている。

おっそろしくナイーブで地味な、極めて日本的な青春展開を魅せて来る。

第一部は高校の定期演奏会を成功させるまでが全24話で構成されている。

クラシック音楽好きにとっては非常に地味な、
全国大会で優勝し続けているとは言え、
千葉県の高校が舞台となっている、
例えるなら甲子園を目指す高校球児みたいな設定だ。

しかし扱っているのがクラシック音楽なので、
野球と違って酷く地味に見える。

内容としてもクラシック音楽好きにとってはかなり意表を突かれる作品だと思う。

ソリストとして活躍するのを夢見るのが音楽ドラマの定番だが、
「青のオーケストラ」は高校の楽団内における、
コンサートマスターのポジション争いなど、
恐ろしく小さな問題を取り上げて来る。

そうして楽団員達の如何にも高校生らしい悩みを取り上げて来る。

イジメや意地悪、仲違い、恋愛、家庭の問題等々。

従って雲の上の存在の派手な物語ではなく、
誰でも経験したような、日常の話の連続。

それも筋金入りの日本人的恋愛観も嫌と言うほど出て来る。

青野に想いを寄せる地味女子「小桜ハル」の如何にもな日本人女性の感覚には非常にイライラさせられ、
ハッと気付くとこのアニメに没入している。(笑)

登場する音楽のほとんどもクラシック音楽好きなら小学生の頃に聴きまくっていたものばかり。

演奏レベルは直ぐに分かってしまう。

よくよくクレジットを見るとヴァイオリンソロにヒラリー・ハーンを使ってみたりと、
無茶振りをしているが、特に違和感なく聴けてしまえる。
(どの演奏がハーンだったのかは分からなかったが)

高校生達のキャラ設定も抜群にいい。

色んなヤツがいて、色んな悩みを抱えながら、
受験に部活に頑張る高校生の青春もののオーケストラ版と考えると分かり易い。

人気が無いと言うのも理解出来る。

舞台が地味過ぎるから。

そして観た人の評価が高いのも理解出来る。

普通にクラスにいた様々なタイプの人達が、
実はなかなか恐ろしい問題を抱えていたり。

非常にリアルな人生を見せ付けて来る内容に仕上がっていると思う。

特に好きなシーンは最初の辺り。

中学3年の時に、先生の勧めで保健室登校の女子にヴァイオリンを教える事になる青野。

しかしもうヴァイオリンは辞めている。

女子は青野の実力を知らない。

揉めた後、川原でヴァイオリンを手にした青野が弾き始める。

カノン。

思わず足を止める川原を散歩している人々。

音楽の力を強く感じるシーン。

これは堪らない。

この後、アニメがどう展開するのかは分からないが、
主人公青野と保健室登校だった「秋音律子」と地味女子「小桜ハル」の何とも言えない淡い淡い三角関係がどうなるのかも見ものだ。

第一部は主人公達が中学3年から高校1年の夏までのストーリーだった。

まだまだ物語は続きそうだ。

余談:
第一部は定期演奏会が無事終わるところで終わる。
最後の曲はドヴォルザーク「交響曲第9番 新世界より」。
作中繰り返し繰り返し出て来るこの曲の各パート演奏部分。
あるいは練習演奏としての極一部分。
全くシンフォニーにはなっていない。
この辺の感覚も非常に斬新に思えた。
だが最後の最後、一気に大爆発する。
小学生の頃にやたらと聴いていた曲で、
もうほとんど忘れていたが急激に思い出し感動した。

https://aooke-anime.com/



https://youtu.be/rv6TYIQ5u_Q?si=itFyop5MXIPCb_bY



https://youtu.be/ASlch7R1Zvo?si=k9NwrNSkZewlBikP