「神奈川県民と富士山と丹沢・箱根の山の関係」
先ほどの外出時、富士山が非常に綺麗に見えていた。
丹沢と箱根の山々も。
さて、江戸時代末期に開国し、大挙してやって来た欧米人。
最初は横浜の地に暮らし始めた。
そんな彼らが記した本を読んだ事がある。
すると日本人の使用人達の挨拶の1つとして、
「今日は富士山が良く見えますね♪♪」と言うのがあり、
最初は酷く戸惑っていたそうだ。
何故、1つの山が見えるのか見えないのかが話題になるのか?、と。
だが慣れるにつれて自分もそうなり、
新しく赴任して来た外国人の後輩に対して、
「今日は富士山が良く見える」と言うと相手は不思議そうな顔をするのが面白いと記述していた。
横浜はもちろん、江戸から東京に変わり、
さらに時代は明治大正昭和どころか令和に突入しているが、
おそらく東京、神奈川、千葉、埼玉の人なら全員がする富士山挨拶は全く変わっていないと思われる。
クリアに晴れた日に富士山が見えると何か得をした気分になる。
江戸時代においては富士講と呼ばれた宗教的な富士登山が大人気だったので、
その感覚が未だに残っているのかも知れない。
あるいは葛飾北斎「富嶽三十六景」でも既に描かれているから、
江戸に人が集まり始めた頃から確立された習慣とも考えられる。
いずれにせよ神奈川県民にとって富士山は非常に近い存在であり、
日常的に接するものと言ってもいい。
しかしコレが丹沢山地と箱根の山々になると、
神奈川県西部の住民ならともかくも、
知名度はかなり落ちる。
むしろ山の名前を正確に答えられる神奈川県民はかなり少ないと思われる。
丹沢も箱根も山地もしくは連山なので、
あれは何とか山で、などと言い当てるのは一気に難しくなる。
また、神奈川県内のどこに住んでいるのかで非常に大きく変わって来るが、
横浜・川崎市内から見ると箱根の山はかなり小さい。
と言うよりほとんど見えない。
だから余程の登山好きでもない限り、
箱根山を全て言える神奈川県民はかなり少ないと思われる。
丹沢も同様だ。
ちなみに神奈川県最高峰を言える神奈川県民はほとんどいないように思える。(笑)
これが横浜市最高峰となると知名度はもっともっともっと低い。
答えられるヤツは余程のクイズマニアしかいないだろう。(笑)
ちなみに神奈川県最高峰は丹沢山地の「蛭ヶ岳(標高1673m)」で、
横浜市最高峰は横浜自然観察の森にある「大丸山(標高156.8m)」だ。
さらに非常にマニアックな情報だが横浜市最高峰と、
横浜市最高地点は違う。
横浜市最高地点は山頂ではなく、
大平山南西の尾根筋で159.4mだそうで、
横浜市最高峰よりも微妙に高い。
神奈川の屋根と呼ばれる丹沢山地は横浜・川崎市内から見ると、
富士山の手前にデンとある感じ。
神奈川県内でどこに住んでいるかで変わって来るが、
富士山の全景を見ようと思った場合、
この丹沢山地を抜けるか、
そこそこ高い山に登らないとなかなか難しい。
ちなみに富士山から横浜駅までは直線距離で81.79km。(キョリ測による計測)
これが江の島からだと68.97kmとなる。
さらに小田原からだと40.40kmとなる。
芦ノ湖畔の桃源台になると27.85km。
富士山の眺望で有名な箱根の金時山からだと26.35km。
こうなるとかなり近い。
もちろん富士山は山梨県と静岡県に跨って存在しているため、
神奈川県にはかすってもいない。
いないのだが。
かなり近いのである。
それ故、富士山に対する愛着は、
富士山から100km以上離れてしまう東京、千葉、埼玉県民などとは比較にならないくらい大きい。(笑)
ちなみに関東地方の各都道府県庁所在地の駅から富士山までの距離を挙げておく。
東京駅(100.43km)、千葉駅(128.47km)、浦和駅(100.35km)、
前橋駅(117.19km)、宇都宮駅(169.30km)、水戸駅(193.26km)。
神奈川県は関東地方においては富士山に最も近い場所に位置し、
アプローチはかなり有利であり、
心理的にも凄く近い。
まあ、山梨県や静岡県の人には全く敵わないが、
他の関東人に対してはレベルが違うんだよ、と思っている。
と思う。(笑)
終わり