「クラシック音楽を本当に好きで聴いている人はかなり少ない???」
テレビを点けたらニュースでベートーヴェンの第九を1万人で歌うイベントなるものを紹介していた。
内容を見ていたらウ~ンと唸ってしまった。
と言うのは、第九の場面はほとんど放送されず、
エグザイルのメンバーが来ていて、
一緒にエグザイルのヒット曲を楽しんでいたシーンばかりで終わったからだ。
第九をどのように一万人が歌ったのかは分からない。
しかしながら、通常のこの種のイベントの場合、
クラシック好きが集結する。
エグザイル好きは先ずいないと思う。
それほどクラシック音楽だけに限らず、
音楽の種類と種類の間には非常に高い壁が存在していて、
何でも聴く、何でも楽しめると言う人は稀だからだ。
つまり、歌謡曲好きな人は先ずクラシックを普段聴かないし、
その逆もまた真なりと言える。
そもそもクラシック音楽を楽しむためのハードルは非常に高い。
例えば超有名な件の第九交響曲。
フルで生で聴いたら軽く1時間を超えて来る。
喜びの歌は最後の最後、第4楽章にやって来る。
それまで待つのか、あるいは4楽章しかやらないのか。
クラシック音楽を楽しむためには、
以前NHK100分de名著で取り上げたブルデュー「ディスタンクシオン」で、
どのような「層」に属しているのかで決まると断言していた。
偶然、喫茶店で喜びの歌を聴いて、
そこから好きになった、と言う例があっても、
実はそれは偶然ではなく、
クラシック音楽を楽しむための経験や教育を受けていて下地があったからこその業だ、と。
これはクラシック音楽だけにとどまらず、
全ての古典を楽しむための基本であると思う。
現代の音楽や小説を楽しむのとは訳が違う。
それなりの教育や環境、知識、教養がないとクラシック音楽を聴かない大抵の人には拷問になる。
ちなみに趣味とは好んでいない人には全て拷問だ。
絵画も野球もサッカーもゴルフも登山も釣りも好きではない人には拷問になる。
大変な苦痛になってしまう。
クラシック音楽を好きでない人は非常に多い。
しかし何故か第九は毎年毎年盛況だ。
何故だろう?と思う。
第九交響曲をフルで聴いて楽しめる人。
そう言う人は、少なくともSNSで繋がっていた場合、
普段からの投稿を見れば即座に分かる。
絶対に、何らかの記事を書いているからだ。
それが無い場合。
私は非常に疑問に思ってしまう。
相当無理をしているのではないか?、と。
どう考えても好きではないでしょう?、と。