「道迷い遭難と登山アプリについて」
以前にも書いたのですが、
登山YouTuberのMARiA麻莉亜さんが、
冬期の八ヶ岳で道迷い遭難が発生したニュースを見た時に、
「何で迷うかな?登山アプリを使っていないのかな?」と発言していました。
これ、物凄く良く分かります。
もちろん登山アプリは電池切れや故障したら最後、
一気に窮地に立たされますので決して万全ではありません。
とは言え、素晴らしい性能を持っているのは間違いないところでして、
もし使っていて迷っていたら不思議としか言いようがない感じは凄く良く理解出来るのであります。
さて、日曜日に久しぶりに周って来た横浜山手西洋館群ですが、
一箇所、私の勘違いからGoogleマップを起動させながらも、
あれれ?と10分くらいウロウロするハメになってしまいました。
しかし、改めて思ったのが、
ことスマホのナビさえきちんと作動して使っている限りにおいては、
昔のように、
大きく道迷いをした挙げ句にとんでもない場所に行ってしまうのは有り得ない、
と強く感じたのであります。
これ、どう言う事かと言いますと、
何故道迷いをするのか?の根本的な原因が、
「正置(整置)せいち」が出来ていないから、となります。
これは要するに、地図上で今自分がどこにいるのかが分からなくなっているからです。
従って、今までの紙の地図と磁石を使った手法では、
一旦迷ってしまったら最後、
「正置」は酷く困難なものとなり、
それ故、登山書では「地図と磁石は迷ってから出しても手遅れ」と言われる所以になっています。
分からない場所で地図と磁石を頼りに正確に自分の位置を知るのは至難の業です。
しかしスマホのナビはその作業をGPS衛星からの微弱な電波をスマホ自身がキャッチし、
見事に正置を一瞬のうちにしてくれます。
しかもナビを起動している限り、ずっとし続けてくれます。
つまり使用者は非常に面倒なアナログ的な「正置」をする必要がない訳です。
要するにカーナビの歩行版と考えていいと思います。
ここで重要なのは、正置を常にしてくれている訳ですから、
大きく外れた場合、直ぐに分かります。
感覚的に30mも離れたら明らかに自分がズレた位置、
もしくは目的地に向かっているのか離れているのかが即座に分かります。
従って、アレレと思ったら立ち止まり、
方向を修正して行きながら目的地に向かえる事が出来ます。
さらに私が使用している登山アプリ「ヤマレコ」になりますともっと凄いです。
(ちなみ無料バージョンですが充分過ぎる性能)
予めルートを設定し、通過地点まで色々と指定出来ます。
予定ルートから30mくらいズレると即座にデカい警告音で知らせて来ます。
今のところ私はそれほど難しい山に行ってないですが、
それでも物凄い安心感があります。
ただし、この登山アプリと言うヤツは実は操作性にちょっとクセがありまして、
慣れるまで時間がかかります。
全然知らない人が直ぐに使えるようなものではありません。
私の場合、そもそも登山アプリその物が「信用出来るものなのか?」、
「携帯電波が入らなくても使えるものなのか?」、
と重大な疑問を持っておりましたので、
使えるようになるまで3回くらいのリアルな登山が必要でした。
結論から言うと物凄く正確であり、
携帯電波が入らなくてもスマホ自身が微弱なGPS衛星からの電波を受信しますので、
何ら問題なく使えます。
しかしクセがあるからこそ意外に、麻莉亜さんが指摘したように、
登山アプリを使用していない人は想像以上に多いように感じています。
もし利用していなければ、
道迷い遭難をする確率が飛躍的に高くなると思います。
特に冬期の登山は登山道や道標が雪で隠されますから、
登山アプリを使用していないと、その危険度はかなりのものになるかと思います。
リンクさせた動画では麻莉亜さんが、
普通なら遭難でしょう?と言うくらい難しい道なき道に入って行きますが、
見事に登山アプリを使いながら抜け切って行くシーンが映されています。
もちろんアプリに頼り切るのは危険過ぎます。
機械は壊れるし、電池も切れますし、
予備バッテリーがあっても充電ケーブルの不具合もあります。
従って磁石と紙の地図は今でも必携品の中の必携品ではありますが、
今の時代は登山アプリを最優先させた方がいいです。
それは現在のドライブシーンで、
紙の地図を使っていたらかなり変で大変で、
時間のロスであり、しかも間違えやすいと言う事態になるからです。
大抵の人が今やカーナビを普通に使っています。
迷ったら即座に遭難に繋がる登山シーンならば、
絶対に登山アプリを最優先させるべきです。
その方が遥かに効率がいいし、安全でスピーディーな登山が楽しめると思っております。
https://youtu.be/slnkeRd45ZA?si=t4QH0t4V9K6frCeD