「乗り物酔いの話」
私は小学生くらいまでは乗り物酔いがかなり酷く、
バスで泊りがけになるような林間学校級になると非常に困っていた。
当時、乗り物酔いの薬は既にあったが効果がそれほどなく、
渋滞などで旅程が長くなると青い顔をして耐えていた記憶がある。
中学~高校くらいになると少し強くなっていたが、
それでも長距離のバスや電車になると酔っていた。
それが全く酔わないようになったのは自動車の運転をするようになってからだ。
もう自分は乗り物酔いはしなくなったと思い込んでいた。
だがそれは程度の問題であったのを思い知らされた。
それが船釣りの世界だった。
最初の船釣りは大して揺れなかったので大丈夫だとタカをくくっていた。
だが次に行った時は、
2mくらいの大波が次から次へと押し寄せて来る中での釣りとなった。
これはヤバいと思い、
既に錠剤の薬は飲んでいたが、絶対にもたないと確信し、
急いで当時効くと言われていた液体の薬も飲んだ。
しかしもって30分だった。
まるで普通に吐き出した。
最初は酒に酔ったものとは違い、
あっさりとした嘔吐だったのだが、
それが何十回と続く。
10回を超えたあたりから非常に苦しくなり、
全く身動きが出来なくなる。
船のヘリに顔を乗せてひたすら吐き続ける感じ。
こうして私は船釣りを一旦は諦めたのであるが。
その後、センパアなる酔い止め薬が出て、
薬屋さんだったか友達だったかに「物凄く良く効く。騙されたと思って船釣りをしてみて」と言われたので、
思い切って乗ってみたのだが。
これは完璧な薬だった。
2mくらい非常に激しく上下動する船でも全く普通にしていられた。
現代医学の勝利、ここにあり!!と非常に喜んだのは言うまでもない。(笑)
センパアある限り、もう大丈夫と思っていたら、
釣りをやらなくなって久しい。
調べてみたら、センパアは今でもあるが新しいタイプが出ていて成分が変わっている???
昔ほど効果があるのかは分からない。
再び船釣りに行くとしたらかなりの不安がある。(笑)
(^。^;
余談:
小学生くらいまで、毎年のように母の郷里の東北地方に旅行をかねて夏は行っていた。
特急列車に乗って行くのだが。
はい、もちろん吐きまくっていた。
まだ鮮明に覚えているのは、食堂車の近くで倒れ込んでいたら、
今にして思うと電車の販売員のお姉さんが凄く優しく声を掛けてくれたこと。
「遠くを見ていると楽になるよ」と。
酷い酔い方を既にしていたので手遅れだったが、
物凄く優しい感じが印象に強く残っている。