富士登山と森林限界線を越えて行く楽しさについて | 東京・横浜物語

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西麻布に生まれ育ち、現在は横浜に居住する筆者が、
色々語って行くブログです。

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「富士登山と森林限界線を越えて行く楽しさについて」

個人的な登山の楽しみの一つに森林限界線があります。

森林限界とは何か?についてはリンクを貼っておきましたのでご参照頂くとしまして、
要するに、木が生える限界の位置(高度)となります。

それが何mなのかは気候や地質、緯度により変化しますが、
富士山や日本アルプスの場合、2500〜2800mとされています。

すると富士山の吉田ルートの場合、五合目はまだ森林限界を越えず、六合目辺りで微妙になります。

つまりちょうど森林限界線内ギリギリを最初は歩く訳です。

関東地方の低山の場合、森林限界を越えて歩くのは滅多にありません。

まあ、何らかの理由で頂上付近に木が無くて、
見晴らしが素晴らしい山は沢山ありますが、
日本アルプスや富士山のように、
明確に森林限界を越えて行く登山は余り出来ず、
大抵は鬱蒼とした森林内を歩きます。

この場合、視界が利かないため、
高度なナビゲーション知識が必要となり、
意外にも低山の方が道迷い遭難し易いと言われる所以になっています。

これはこれで非常に楽しい世界ではあります。

さて、五合目を出発して森林限界の視点で歩いていると実に面白いです。

本当に限界ギリギリなんだと分かるのであります。

富士スバルライン五合目はまだまだ木が普通に生えているのですが、
徐々に木の成育が難しくなるのが分かって来ます。

根が剥き出しになったり、
幹が曲がっていたり。

必死になって木はその勢力圏を広げようとしてますが、
六合目を越えて、七合目になると完全に力尽きます。

植生がガラリと変わります。

草が中心となりますが、
草すら生えない場所も非常に多いです。

夏、遠くから見る富士山は赤茶けてますが、
なるほどそうなのかと改めて分かった次第です。

そして不思議な事に人間も七合目を越えて行く辺りから極端に苦しくなって来ます。

《木が生えない場所は人間も生きられない》

何故、富士山の七合目以上でも人は生きているのかと言うと、
明らかにブルドーザーで物資を大量に輸送しているからです。

これが途絶えた場合、生存はほぼ無理です。

そもそも富士山は五合目でも自然の水の入手は不可能です。

雨水を溜めるか輸送するかで対応しています。

富士山はここが他の観光地と決定的に違っています。

水道は来てません。

そんな場所で森林限界線をいよいよ越えて先へ進むと、
その先は岩と砂利と土だけの荒涼とした風景へと一変します。

人間の生存を明らかに拒絶している場所。

ここへ足を踏み込むには勇気だけでは無理で、
確実な装備と知識と体力が要求されます。

そうして出来るだけ時間を少なく、
ヒット&アウェイを心掛けて、
目的を果たしたら早急に離脱しないと非常に危険な場所です。

ちなみに直近のニュースでは、
台風が近付く中、登山道で倒れてしまったり、
救助を求める人達が出たらしいですが、
さもありなん。

ともかくヒット&アウェイ。

まあ、登山とはそう言うものでありますが、
富士山はそれが極端に凄いと感じました。

下界を見るとそこは緑が溢れる優しい場所。

しかし富士山そのものは荒涼とした生命を拒絶する場所。

それ故。

森林限界線突破登山。

またやりたくてウズウズしてます。(笑)

(^ν^)