「美人」と言う言葉はまもなく禁止用語になる?
Yahoo!ニュースに市長が「美人と云々」と言い、
これは差別発言であると問題視されていると載っていた。
実のところ、昭和から平成時代中期までの漫才ブームの頃のネタを見ると、
「ブス」と言う単語が普通に使われていて、
容姿の劣った女性を揶揄する表現が盛んにされていた。
実際に小中学校でも普通に女子生徒をからかう言葉として多用されていた経緯がある。
もちろんその反対に男をバカにする言葉もあるが、
侮蔑語としてブスは定着していた。
だが今、少なくともテレビでは先ず聞かれない。
女性の容姿について公的な場所で発言するのはタブー視されつつある時代が到来している。
まして容姿を揶揄する笑いで許されているのは自虐ネタくらいであり、
他人について言おうものなら下手したら炎上ものだ。
この種の差別の歴史は非常に大きく変わって来ていて、
昔になればなるほど酷かったと思っていいと思う。
昔、中学時代に初めて古典を習った時、
先生が「皆さんはこれから学ぶ古典には今の感覚だと受け入れられない差別的なものも出て来ます。
でも、昔はそういう感覚だったんだと是非学んでほしいです。」
と言われた。
教科書に出て来る古典には幸いそのようなものはなかったと記憶している。
大人になり歌舞伎や文楽、能・狂言を鑑賞するようになってから初めて当時の残虐性を垣間見る事が出来て非常に驚いた経験がある。
ちなみに特に文楽作品がキツい。
人形と浄瑠璃、三味線で構成されるアートなため、
差別感覚のみが異常にキツく見えて酷く滅入る作品があったりする。
それはともかくとして、私達人類は徐々にそれでも進化し、
昔と比べたら非常に良くなっている。
もちろんまだまだ理想からは程遠いにせよ、改善はされている。
ブスと言う表現は醜い女性を表しているが、
当然反対語として美人が存在している。
美人と言う用語を使うと、周囲にいるブスを差別するため、
現在では誉め言葉としても成立し難くなっている実状があるかと思う。
テレビのような規制がなく、かなり過激な笑いを仕掛けて来る寄席においても、
古いタイプの落語家や漫才師が「美人ブスネタ」をしても余りウケない時代になっていると感じている。
差別する側はいつの時代も鈍感であり、
言い訳と逆ギレで仕掛けて来るから厄介だ。
酷い場合は自分を被害者にまでして来るので、
人間の言い訳能力の凄まじさを見せ付けられてしまう。
ちなみに、これは男女共通だが、
恋愛を素敵なものと思い込んでいる。
しかし、恋愛こそが諸悪の根源の差別行為であるとは全く気付けないおめでたさがある。
例えば、多くの女性はブスと言われたら怒るし、
今だと意識高い系の女性ならば美人と言われても怒る。
けれどもこと自分の恋愛になった途端、
「3高(高学歴・高収入・高身長)」だとか「3低(低姿勢・低依存・低リスク)」など、
恥ずかしげもなく超差別を展開して来てしまう。
人間の本質は差別的であるのは間違いないが、
せめて公的な空間ではそれを出さない方が賢明であるし、
少なくともそのような場所(公的な空間)くらいは安心して過ごせるようにしたいものだ。
しかし、時代の変化に対応出来ない人は必ず一定数存在する。
結局のところ最終的には条例などの法整備が必要な世界であり、
実際、人間の自主性とかモラルに期待しても絶対に解決などしない。
少なくとも明治時代に取り敢えず大きな法改正が実施されるまで、
日本には四民平等すら存在していず、また戦中までは貴族がいたのを忘れてはならない。
人間、放置していたら差別はどんどん酷くなる、と。
終わり
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6408255