ミャンマー問題についての別視点による考え方:保守(右翼)とリベラル(左翼)の政治的対立の危険 | 東京・横浜物語

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「ミャンマー問題についての別視点による考え方:保守(右翼)とリベラル(左翼)の政治的対立の危険」

 

テレビを見ていましたら、

ミャンマーのクーデターにより500人以上の犠牲者が出ていると報道していました。

 

そして民間人を銃撃して殺してしまうシーンや暴行現場などを見て、

「軍隊はどうしてこんな事をするのか!!」と母が憤っていたので、

私は以下のような説明をしました。

 

ほぼ全ての日本のマスコミは今のところ、

軍事クーデターは酷い、民衆を虐殺して、軍隊のトップは宴会をやっている、

と主張し、テレビ画面には常時「軍のトップは豪華な宴会」などと書いて、

さり気なく、戦後民主主義的な方向へ持って行くための工夫を凝らしていました。

 

銃撃や爆撃をする国軍は酷い、と。

 

確かにその通りではあるのですが、

戦後民主主義の中で生きる私達日本人はそもそも軍事について、

驚くほど知識がすっぽりと抜け落ちています。

 

また、クーデターについては、

これは日本だけでなく、

経済的繁栄が当たり前になって確立している欧米西側諸国の人達共通になりますが、

全く現地の事情を理解しないで、

まるで西側先進国と同じ扱いをして非難をします。

 

つまり、こんなイメージを持っていないでしょうか???

 

割と政治も経済も、先進国とまでは言わないが、

まあまあ何とか上手くやっていたけど、

強欲な軍隊の連中がある日突然、武器を持って侵攻して来て、

市民の虐殺を始めた、と。

 

ちなみにこの感覚は、現代人がナチスドイツを語る時にも全く同じ手法を使い、

愚かな国民、騙された国民、酷い独裁者と言うイメージで語って来ます。

 

しかし、ミャンマーも当時のドイツも、

現代の西側先進国のような状況でなかったのだけは確かです。

 

政治的な混乱だけでなく、経済的な破綻と、

諸外国の介入と言う、非常に厄介な事態になっていて、

それにより困っている人が大勢いたと考えないといけません。

 

裕福で楽しくやっていたのに、ある日突然軍隊が・・・ではありません。

 

裕福なのは極々一部の連中だけであり、

ほとんどの国民は貧困の中で、明日どうしよう?と苦しんでいたと考えるべきです。

 

さてこの時、クーデターを起こす国の中では、

ざっくりと言うと「保守(右翼)」「リベラル(左翼)」と言う二大勢力の対立が始まるのが普通です。

 

つまり国難を保守的に解決すべきだと主張する勢力と、

リベラル的に解決すべきだと主張する勢力が激しく対立し、

その間で「中道」が揺れる、と言う構図です。

 

複数の民族が入り乱れての抗争と言う例もありますが、

ある程度の規模の国のクーデターとなると、

大体この構図が当てはまると考えておいていいと思います。

 

さて、この二大勢力の対立構造は非常に重要で、

どちらがクーデターで政権を取っても簡単に大虐殺に発展してしまうのは歴史で証明されています。

 

そこで今回は、そもそもこの二大勢力は相手をどのように見ているのか?と言う仕組みを書いて行きます。

 

何故残虐な行為が出来てしまうのか?と言う理由です。

 

今回のミャンマーのクーデターは、保守派(右翼、軍隊)が政権を武力により奪取しました。

 

保守派とは、本来、物事の改革は穏やかな方がいいと考える人達です。

 

また、共産主義、社会主義は国を滅ぼすと考えている人達です。

 

ただし、ミャンマーの場合は社会主義化していた時代がありますから、

事情はもう少し複雑になっていると思うべきです。

 

いずれにしても保守派もしくは右派と呼ばれる人達は、

自分達の国の文化を大切にして、

外国の介入を許さず、独立するんだ、と考えています。

 

さて、このような人達(保守派)は、相手のリベラル派をどのように見ているのでしょうか?

 

この感覚は保守派でないと実のところ理解するのは困難です。

 

そこで政治的に極右の立場を取っている私は、

保守派の考えている事が非常に良く理解出来ますので書いて行きます。

 

これから書く事が現在、自国民に対して暴力を振るったり、銃撃して殺したり、爆撃まで出来る理由の一つとなります。

 

さて、マスコミの報道を見ていると、

軍幹部の不正や腐敗をやたらと取り上げていて、

腐った連中が自分の私利私欲を守るためにやっている酷い連中と言うレッテルを貼りたがっています。

 

しかし、ここで軍事的思考として絶対に外してはならないのは、

≪軍幹部と実際に殺す側の階級の低い兵士達は全くの別物≫と考えておくべきです。

 

そもそも軍のトップにのし上がれる人達は、

その国のエリート層です。

 

しかし兵卒級の人達は、

徴兵制の有無に関わらず、軍隊の存在とは、

一般的には、学校に行けず、資格も無く、

職業にも困っている若者達の受け皿としての機能もあります。

 

軍隊に志願して入る若者は、恵まれていない人達と見做しておくべきです。

 

すると、この種の人達は、そのベースにおいて、

富裕層に対する潜在的な怒りを抱えています。

 

そこを軍の上層部は巧みに利用して教育を仕掛けて来ます。

 

西側先進国に暮らす人達は、

自由を求めて抗議する学生を見ると、

頑張れ、軍に負けるんじゃない、自由を守れ、と言う思考パターンになっています。

 

けれども兵士の見方は違います。

 

軍に抗議するためデモをしている大学生 = 恵まれた富裕層の子供が自らの利権を守るための腐敗行動

 

となり、これは、西側先進国の人達がミャンマーの軍は腐敗している、

と思うのと全く同じ構造で、学生達こそが腐敗した金持ちで理屈ばかりこね回す鼻持ちならないヤツら、

となる訳なのです。 

 

決して、一兵卒は、私利私欲を守るために暴力を振るっているのではありません。

(そもそも一兵卒は大抵の場合、財産など持っていない)


上官に命令されて仕方なく暴力を振るっている、

と主張する戦後民主主義者も結構います。


公開されている動画を詳しく見てみましょう。


オートバイを3人乗りした若い男達を銃撃する場面。


瞬間的な判断であり、命令されて渋々などには見えません。


また、動画の撮影者が「何もしてないのに!」と言っている、

男性が寄ってたかって殴られているものでも、

誰かの命令によるようには全く見えません。


では何故、暴力を振るったり、最悪殺すのでしょうか?


その根底にあるのは、富裕層や治安を乱す者、裏切り者(スパイ)への怒り、です。

 

また、デモについての考えも先進国の人達は理解出来ません。

 

そもそもデモは労働者の認められた権利、

くらいのおめでたい発想しか持ち合わせておりません。

 

アメリカの人種差別問題のデモが暴徒化したのは実に良い例なのですが、

そもそも大勢の人達が集まる場所は非常に危険であり、暴走し易いのは知られています。

 

政情が不安定な国におけるデモは簡単に暴徒化し、

略奪や殺人に発展しますから、

それを押さえる軍側は、事の良し悪しはともかくとして、

デモを大変な危険行為と見做しているのは当然の事です。

 

また、軍は戦闘のプロですから、

相手がどのように攻撃して来るのかも熟知しています。

 

そもそも彼らは命のやり取りをしている集団なのだと認識しておく必要があります。

 

従って、民間人にとっては普通の行為でも、軍人はそうは見ないと言う行為があります。


例を挙げておきます。

 

民間人:何だろう?と思って窓から侵攻して来た軍隊を覗く → 軍隊:狙撃兵がいると判断する

 

民間人:軍隊が前から来た。恐いから早目に逃げておこう → 軍隊:敵が逃走しようとしている

 

民間人:写真を撮っておこう → 軍隊:スパイだ

 

クーデターが起こった、と言う事は、この時点で法治国家ではなくなったのを意味しています。

 

だからと言って、即座に無政府状態になるのでもなく、

≪軍の規律が当面優先される≫のであります。

 

従って、治安維持のためには、

軍流のやり方が適用される訳です。

 

この時、民間人の理屈は通用しません。

 

少なくとも軍は、デモを自由を求める真面目な人達とは思いません。

 

治安を乱す、場合によると外国と通じているスパイと、そいつらに扇動された唾棄すべき人間と見做しています。

 

だから、場合によっては躊躇なく発砲しますし、事実、発砲しています。


ちなみに恐ろしい現実なのですが、

永世中立と厳しい徴兵制で知られる軍事国家スイスでは全国民にマニュアルを配布していますが、

「国内の平和主義者は外国と通じるので要注意」

と明記しています。


日本では平和主義とは立派な考えとされていますが、

永世中立国の立場で見た途端、危険なスパイになり、

国を裏切る可能性のある連中と見做しているのです。


当然、軍隊も平和主義者をそのように見ますので、

緊急事態においては、非常に強い殺意を抱いて接して来る、と。


これがおおよその軍隊側の理屈となります。


逆パターンもあります。


それが共産革命が起こった時です。


この場合、中心となるのは学生などの共産主義者や社会主義者ですので、

基本的に知的レベルが非常に高いです。


この場合の革命(クーデター)は、

自分達の反対勢力をバカだと見做して来ます。


つまり保守派は役立たずの愚か者の分際で政権に居座っている殺すべき存在だと見做して来ます。


そして本当に殺しまくって来た歴史があります。


ちなみに共産主義による犠牲者はフランスの学者が研究したところ9000万人以上になると見積もられています。

(出典:「共産主義黒書」1997年、フランス国立科学研究センター、フランス現代史研究所


要するに、どちらの側が政権を取っても、

大量虐殺は起こり得る、と。


その根底にあるのは、人間とは、自分を善人だと思い込んでいても、

知らないうちに他人から酷く恨まれているケースが多々ある、となるかと思うのです。


そして、左右どちらの側にも一理ある、と。


そこを無視して政治思想だけで突き進み、

人間の感情を無視した時に大量虐殺は起こる、とも。


終わり



余談:

国が混乱する時、必ず、周辺国は介入して来ます。


おめでたい戦後民主主義者は全く考えませんが、

デモ隊に煽るスパイを潜らせて暴徒化させる、とか普通に行われています。


日本ではそんな事はない、と言う人は早計。


以前、東京・恵比寿で警察が外国人差別をしたとして、

新型コロナ禍にも関わらず渋谷警察署前に数百人のデモ隊が押し掛けて抗議してました。


おかしい、と思って動画を精査すると。


某外国組織の旗を振ってる人が中に紛れているのが指摘されている動画がありました。


自分は平和と人権のために戦っている、と思いながら、

実は外国の介入の手助けしているスパイに知らずになっている、と。


ちなみにこの時のデモはマスコミも取り上げていましたが、

今は忘れ去られています。


何故なら、これは人種差別問題などではなく、

悪質な交通違反をした挙句に逃走した外国人を捕まえた正当行為なのがはっきりと分かったからです。


平和や人権のためのデモ。


先ずは疑え、と。


永世中立国スイスの教えは厳しくも有難いな、と。