カント「純粋理性批判」NHK100分de名著
やっと録画した4回を全て見た。
ディレクターが今までのこの番組の中で最も難解だと出演者に言ったらしいが、
伊集院光氏も途中で、ちょっと混乱してます、と聞き直す場面もあり、実に面白かった。
さすがに世界三大難書の1つだけある。
難しい、難しい、難しい。
しかし意外にもメチャクチャ面白かった。
何かカントを誤解していた。
今までは、恐ろしく低次元なレベルで、
後にカントを批判したニーチェの超人思想をカッコイイと思っていたのだが。
むしろカントの方が遥かに遥かに人間的な魅力を番組を通じて感じるようになった。
意外にも社交的で外国人を招いて食事を一緒にしてた話を聞いて、
また大学でもその外国の話などして人気の先生だったとか。
それにしても世界的な偉人とはスゲー事を考えるものだと腰を抜かす。
以下、メモ(何となく分かったような気がする。笑)
物自体→現象→
現象→(直観)感性→悟性→認識の成立
内容を欠く思考は空虚であり、
概念を欠く直観は盲目である。
この両者が結びつくことによってのみ、
認識は生まれるのである。
「ア・プリオリな総合判断」
・分析判断
主語の中に含まれているものを述語として取り出した判断
例「富士山は山である」
・経験的総合判断
実際に調べることによって、主語に新たな情報を付け加えた判断
例「富士は3776mである」
・ア・プリオリな総合判断
経験しなくても分かることがある
例「2+3=5」→数学
因果律→自然科学
皆が共通でもっているプログラム
悟性→カテゴリー→判断
感性→空間・時間→直観
12のカテゴリー
量 単一性、数多性、相対性
質 実在性、否定性、制限性
関係 実体と属性、原因と結果、相互の作用
様相 可能・不可能、現存在・非存在、必然性・偶然性
空間・時間 ア・プリオリな総合判断
+ = ・1+1=2 数学
カテゴリー ・因果律 自然科学
・純粋統覚 全ての経験をまとめる力
人生を方向づけて、過去を捉えながら、
未来まで考えられる
理性 推論する能力
理性の本性は答えの出ない問いを生む
理性の暴走により、人間の認識を超えたもの
「不死なる魂はあるか?」
「宇宙は無限か?有限か?」
「神は存在するのか?」
合理的に共通理解ができるのは、
時間・空間の枠組みに入っていること
アンチノミー
対立する2つの命題が共に証明できてしまい、
どちらが正しいのか決着がつかない状態
4つのアンチノミー
1 宇宙は無限か?有限か?
2 物質の最終要素は存在するか?
3 自由の原因性はあるか?
4 無条件で必然的な存在者はいるか?
理性の2つの関心
・完全性を求める
・真理を追究する
無限説・有限説は理性がもっている2つの関心に由来する
これまでの哲学は究極の真理を追究してきた
カントが目指すのは究極の生き方を追求する哲学
実践理性
究極の道徳的世界を思い描き、
それにふさわしい最高の生き方を命じる
カントの自由
自由意志によって欲望を抑えることが
因果律から解放された自由な生き方
↓
道徳的に生きる
↓
権威や伝統が定めた正しいことを
無批判に受け入れることは道徳的価値なし
↓
「これは正しいことだ」と自分で選択する
↓
道徳的価値があり本当の自由がある
↓
自分で自分の行為の正しさを認識して
生きるところに人間の自由がある
自由は物自体→叡智界に属している→認識できない
人間は二重性をもっている
・感性(欲望)→現象→現象界
・理性(道徳)→物自体→叡智界
感性と理性に引き裂かれた存在
老人に席を譲る行為
かわいそうだから親切にする
↓
自分の感情を鎮める行為
↓
道徳的価値なし
その人の幸せにつながることは何か?
実践理性で考えてやるときに道徳的価値がある
人にはそういう能力が備わっているとカントは信じている感じがする
純粋理性批判から7年後の著書
「実践理性批判」からの引用
「汝の意志の採用するルール(格律)がつねに同時に普遍的立法の原理としても妥当するように行動せよ」
人間の尊厳